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PROFILE

船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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【新聞から】日本の名僧は誰?

人物




 「もっと知りたい日本の名僧」
  朝日(土曜版)beランキング 2013年3月30日付



 朝日新聞の土曜版「be」で毎週行っている読者アンケートによるランキング。
 今回は、なぜか日本の名僧ランキングでした。
 朝日新聞デジタル会員813人から回答を得たもので、「週刊朝日百科 仏教を歩く」や山折哲雄ほか編『日本の仏教を築いた名僧たち』(角川選書)を参考に選んだ歴史上の僧34人から選んでもらっています。
 お坊さんをランキングすること自体“どうかなぁ”と思われる方もあるかと思いますが、まぁそういう欄なので仕方ないということで。

 ランキングは、次の通りでした。

 1位 空海  443票
 2位 鑑真  292票
 3位 親鸞  273票
 4位 一休  229票
 5位 西行  190票
 6位 法然  178票
 7位 良寛  174票
 8位 最澄  166票
 9位 日蓮  162票
10位  雪舟  152票

 なお、11位から20位は、行基、道元、沢庵、空也、栄西、夢窓疎石、一遍、蓮如、重源、源信でした(重源と源信は同数)。

 堂々1位は、弘法大師、空海。得票数もダントツで、圧倒的人気です。
 2位は、朝日も「やや意外にも思える結果」とする鑑真。その使命感や意志力に関心が集まった模様。
 3位は、親鸞。やっぱり小説に取り上げられる数でも大人気ですものね、親鸞は。
 ぼくらアニメ世代は4位「一休さん」もお馴染み。とんちの名僧という印象でしょうか。

 私が意外だったのは、19位の重源。鎌倉時代に東大寺の再建を果たした僧ですが、ベスト20に入るとは。なかなか。
 このランキング、よく見ていくと、日本史の教科書に出てくる人物ばかりです。選択肢の34人が誰なのか不明なのですが、それがそもそも教科書に載っている僧だけだったのかも知れません。
 素直に考えれば、例えば円仁、円珍とか、叡尊とか、明恵、貞慶とか、あるいは日像とか日親とか、はたまた宗峰妙超、関山慧玄、隠元とか……。まあ、ランキングだから仕方ないのかも知れません。

 それにしても、教科書から逸脱すると面白い話もあるもので。
 例えば、2位の鑑真について、西山厚さんは『仏教発見!』(講談社現代新書)の中で、鑑真は完全ではないにせよ目が見えていたのではないか、という説を示しています。
 西山さんが着目したのは、天平勝宝6年(754)に東大寺の良弁宛に出した手紙(鑑真奉請経巻状)で、お経の借用を申し込む内容です。
 手紙の末尾にある「鑑真」という署名が行書体で何の思い入れもなく書かれているところや、間違った文字を上書きして自然に訂正しているところなど、他人の代筆でも全くの盲目の人の書でもないと判断されています。
 少し驚かされます。

 3位の親鸞。浄土真宗の開祖として、その名は小中学生でも知るところ。しかし、大正時代までは「親鸞は実在しない」といういう説が唱えられていたのです。
 というのも、親鸞は、公家の日記など同時代の史料にその名を現しておらず、明治時代には学会で親鸞非実在説が喧伝されていたのでした。
 この論争にピリオドを打ったのが、大正10年(1921)、西本願寺で発見された妻・恵心尼の書簡10通で、これにより親鸞非実在説が否定されたのでした。
 わずか90年前まで、親鸞の実在性がはっきりしていなかったとは、実に意外な話です。教科書に書かれている事柄より、実在・非実在論争の方に興味が湧いてしまいます。

 ちなみに、私が『日本の仏教を築いた名僧たち』掲載の58人で、これはと思ったのは良源。元三大師です。
 平安時代、10世紀の比叡山の僧で、いまでも比叡山横川(よかわ)に元三大師堂があります。
 本当は慈慧大師と諡号されたのですが、正月三日に亡くなったので「元三(がんさん)」とも言い、一般には「元三大師」で通っています。
 ひろく人々に親しまれ、豆大師や角大師の護符が有名。

 角大師

 以前、比叡山でいただいた角大師の護符。鬼だけれどユーモラスな表情です。

 あまりに美男子だったので、宮中に参内するときは豆粒みたいに小さくなって行った(女官に言い寄られないため)という伝承から豆大師の護符も生まれました。おかしいですね。
 そして、おみくじの元祖という話は、たいへん有名です。

 こんなふうに、高僧といっても、なかなか謎が多いものです。いろいろと調べて愉しんでみましょう。



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