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PROFILE

船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS朝日「京都ぶらり歴史探訪」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

ARCHIVE

奥が深そう、業界紙の世界

その他




中之島図書館新聞目録


 図書館の奥にある新聞閲覧室 

 先週、調べものがあって、大阪府立中之島図書館を訪ねました。

 この図書館は昔からよく利用させてもらっていて、当時は1階の脇にある入口から入り、係の女性からロッカーのカギをもらって、古びたロッカーに荷物を入れて、閲覧室に行っていました。この1階入口の古びた設備、庶民的な応対は、中之島図書館の名物でもあり、クラシックな外観に似ても似つかぬ、大阪らしい親しみのある部分でした。

 大阪府立中之島図書館
  明治建築の大阪府立中之島図書館

 目的は、1時間ほどで終わり、少し時間があったので閲覧室を覗いたりしていました。
 これまでなぜか、建物北側にある階段を使ったことがありませんでした。もしかすると以前は閉鎖されていたのかも知れませんが、その階段を初めて下りて行くと、明かりの点いた小部屋がありました。

 新聞室。

 この部屋には、今まで入ったことがありませんでした。
 私のぼんやりした記憶では、以前新聞室は2階にあったような気がします。でも、なかに入ったことはなかったのです。

 入室してみると、狭い部屋内に新聞を読む斜面になった閲覧台や、縮刷版などを架蔵する棚が並んでおり、7、8人の男性が新聞を読んでいました。
 
 棚を見て回って、私を驚かせたのは、業界紙の所蔵でした。

 業界紙。

 それだけで魅力的な響きだけれど、ほとんど読むことのない世界。
 でも、ヒミツの情報が満載されているようなイメージがある……

 私は時折、NHKラジオで「すっぴん!」という番組を聴くのですが、週に1回、ひとつの業界紙を取り上げて、その編集長らを招いて話を聞くコーナーがあるのです(「ギョーカイ大図鑑」)。
 これがおもしろくて聴き入ってしまうのですが、実際の新聞を目にする機会はほとんどないわけです。

 ところが、この新聞室には、それがある。それも、結構たくさん!


 圧巻の業界紙目録 

 室内を見ていると、パンフレット立てにピンク色の冊子が置いてあるのが目に付きました。

  中之島図書館新聞目録

 タイトルは、ひらがなで「おおさかふりつ なかのしまとしょかん しんぶんしつ」となっています。
 目次には「所蔵新聞目録」と書いてありました。

 係員の男性に、小声で「これ、いただいていいですか」と聞くと、不思議そうな顔ながらも「どうぞ」と言ってくれました。

 そして、1ページ目からめくっていくと、ここに所蔵されている新聞が記載されているのですが、当然というべきか、ほとんどが業界紙なのです。
 その数、なんと 563!

 最初は「a」で、「antenna」という新聞。
 アンテナかぁ、どんなのか全く想像が付かない……

 次は「Architecture Roofing Sealing」。
 はぁ、これは建築関係、それも屋根関係ですかね。
 
 こんな調子で、延々と続きます。

 J のところには「JFAニュース」というのがあります。
 一見、JFAなので、ジャパン・フットボール・アソシエーション、つまり日本サッカー協会の新聞か? と思いますが、ここは大阪の図書館。そんなものが、あるはずもありません。
 これは、たまたま棚にあるのを見たのですが、なんと鍛造(たんぞう)関係の業界紙でした!

 ほかにも、「MK新聞」っていうのがあって、これってタクシーだろ !? て感じですよね(笑)

 とにかく、アルファベットのタイトルは、中身が想像できません。

 中之島図書館新聞目録
  ちょっと電話帳のような雰囲気

 アルファベットのあとは、アイウエオ。
 まず最初に「赤旗」があって、これはメジャーなので、なにかホッとします。そのすぐ下には、各種の「朝日新聞」がありますね。
 でも、「アルミ缶リサイクルニュース」!とか、「アンブレラ・シーズン」!とか、内容は分かるけど、こんなのあるの!という驚きの新聞がオンパレード。

 こういった業界色満載の新聞には、

 「金型しんぶん」
 「危険物新聞」
 「金属時評」
 「空調タイムス」
 「軽金属ダイジェスト」
 「建設速報」
 「研磨剤新報」
 「ゴム産業ニュース」
 「ジャパン味噌プレス」
 「シューズポスト」
 「酒販飲料日報」
 「醸界通信」
 「段ボール事報」
 「テレコム・レビュー」
 「塗料報知」
 「農場だより」
 「フードウイークリー」
 「ポリオレフィン時報」
 「ミュージック・リポート」
 「労基旬報」

 などなど、枚挙にいとまなし。

 特に、下の部分、新聞、しんぶん、ニュース、タイムス、プレス、ポスト、日報、時報、旬報、新報、速報、レビュー、リポート、ダイジェスト …… という、バリエーションの多彩さは、他紙の付けていない題号を付けてやろう!という気合い満載です。

 このリストが延々15ページまであります。


 注目! 内容の3行解説も 

 そして、22ページまで来ると、実は、各紙の内容が1~3行で解説されているのでした。

 これはスゴイ! 便利 ‼

 業界ごとに分類したうえで、説明されています。

 例えば、「ナイスビジネスレポート」。発行者は、ナイス経済センター。

 木材や建材、住宅設備機器等を取り扱う販売店、工務店向けの広報紙。住宅に関する法律や行政動向、各社の取り組み事例などを紹介している。 

 タイトルは「?」ですが、説明を読んでいると、住宅・建材関係の業界紙のようでした。

 「コンビニエンスストア速報」。発行は流通産業新聞社。
 
 毎週月・木に流通産業新聞社から発行されているコンビニ業界の専門紙。様々なコンビニ向けの新商品やコラボ・タイアップ商品の最新情報等を掲載している。新商品情報以外にも定期的に売り上げの推移や店舗の分布地図を掲載している。 

 これ、おもしろそうだなぁ。読んでみたい。

 ナゾのタイトルも多いです。

 「学生ハロ大阪新聞」

 なんでしょう?

 就職活動情報紙。面接会等のイベント案内、セミナー情報、内定者の声、業界情報、企業情報、就活豆知識、時事ネタなど、就職活動に役立つ情報を掲載している。

 発行者が、大阪新卒応援ハローワーク。 「ハロ」は、その略だったのですね。
 いまのシーズン、タイムリーです。

 「全ドラ」

 ドラって、なんだ?

 クリーニング店を対象とした専門紙。経営のポイントや新しいサービスを紹介。またクリーニング機器や洗剤等の新製品の情報も掲載。

 そうかぁ、ドライクリーニングなどの「ドライ」の略なんでしょうかね。

 でも、一番びっくりした&わからない…タイトルは、

 「お母さん業界新聞 全国版」
 
 なんだろう?

 お母さんのための子育て月刊紙。子どもの年齢を問わず、子育てに役立つ情報が掲載されており、国内外で子育て中のお母さんたちからの投稿欄が充実。お母さんが共感できるつぶやきも掲載。

 発行は、トランタンネットワーク新聞社。
 そうか、業界っていうのは比喩なんですね。なかなかおもしろそうです。

 今回は、時間がなくて各紙そのものを読むことは出来ませんでした。
 でも、業界紙は奥が深そうですね。

 今度はぜひ、中身も読んでみたいと思います。




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