08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
MENU

NEW ARRIVAL

PROFILE

船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

ARCHIVE

【大学の窓】卒業式のシーズンに思う

大学の窓




大学


 はかま姿の女子大生も

 先日、街を歩いていたら、袴姿の女子大生を見掛けて、もう卒業式シーズンか、と思いました。

 そう言えば、私が非常勤で行っている上京大学(仮称)も、毎年、昨日今日あたりが卒業式なんですよね。
 もっとも、私自身は卒業式に出るわけもなく、ただニュースなどで、○○大学の学長の祝辞がこんなふうだった、という記事を読む程度です。

 大学の卒業式は、学位授与式、つまり学部なら「学士」という学位を与える式ということです。
 戦前では、学士というとちょっとしたエリートでしたが、今では大学を卒業しても、自分が「○○学士」になったという実感すらないでしょう。

  煉瓦校舎


 4年間での成長

 私の非常勤の授業は、1回生(1年生)が受講生です。演習なので、ふつうの授業より近い距離で接することが多いかも知れません。歴史研究のやり方を初めて実践してもらう入門編的授業です。
 
 いつも気掛かりなのは、この学生たちが4年間大学で学んで、どう成長していくのか、ということです。
 毎年毎年、1回生ばかり教えているので、専任の先生方のようにその成長を追っ掛けていくことができません。なので、彼らの2年後、3年後がとても気になるのです。

 まぁ、常識的に考えて、4年も在籍していれば成長して当たり前、ということで、疑問を持つ方がおかしい。
 と言いつつ、気になるのが “親心” かも知れない……と思います。

 実は、自分の本職(博物館の学芸員)でも、近年、若い人にお話しするとか指導するとかいった機会が増えてきてるんですね。
 自分が年を取った証拠ですが(苦笑)、若い人を育てるということに少し責任感みたいなものすら感じるようになってきました。困ったなぁ、というのが偽らざる気持ちです。

 椅子

 私にとって、1月から3月というシーズンは、新学期を控えて「教育」というものに関心が高まるシーズン。
 いつもこの時期になると、書店の棚の前で教育や授業の本を探してしまう――そういう季節です。

 ところが、今年はなぜかそのような感じが薄くて、不思議です。
 もちろん、昨年の授業がうまくいったから、ではなく……、なんでしょうか、少し割り切れたのかも知れません。

 ただ、今年度ひとつよかったなということがあったのです。
 年に1回、みんなで本を読んで感想を述べ合う時間があります。私の選んだ書物は、石牟礼道子の『苦海浄土』でした。水俣病を取り上げた小説です。

 これは、初めて選んだものでした。
 そのため、学生の感想がどうなのか、少し不安でした。
 結果的には、みんな水俣病に関心を持ってくれ、企業と地域・公害の関係などについて、いろいろ思いをめぐらせてくれたようでした。

 年度末に授業の感想を問うアンケートで、このことを取り上げている学生がいました。
 彼は九州の出身だったと思いますが、『苦海浄土』を読んだことで水俣病に強い関心を抱き、ぜひ水俣にも足を運んでみたいと書いていました。

 こういう声は、とてもうれしいですね。
 授業というのは、文字通り、何を授けるかが問われるのだと思います。その意味で、今年授けたひとつ『苦海浄土』は、我ながらよいチョイスだったなと安堵しました。

 という間に、新学期まであと10日。
 また考えないといけませんね。 



スポンサーサイト

コメント

非公開コメント