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船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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北野天満宮の十二支の石灯籠は、珍しい逸品





北野天満宮灯籠


 天神さんに初詣

 近年は、縁あって毎年、北野天満宮へ初詣に行っています。もともと“天神さん”へは、母方が近所にあった関係で、子供の頃からよくお詣りしていました。毎月25日の縁日には、たくさんの露店が出て、子供心に楽しかったことを覚えています。

北野天満宮
北野天満宮

 
 十二支の石灯籠が……

 正月や縁日は露店がびっしり立ち並んでいるので、参道の鳥居や灯籠、牛の像などを詳しく見ることができません。ところが、今年はたまたま、一の鳥居の脇に大きな石灯籠が立っているのが目に入りました。

北野天満宮灯籠

北野天満宮灯籠 一の鳥居脇の石灯籠

 年末年始には、この石灯籠に看板がくくりつけられているので、側面から写真を撮っています。
 この灯籠、少々変わっていて、火袋(ほぶくろ)の下にある中台に変わった浮彫りがあります(矢印の部分)。

北野天満宮灯籠

 灯籠は六角形なので、中台は6面あります。その各面に十二支の浮彫りがあるのです。
 1面に2つずつ、計12の動物です。ひと通りご紹介しましょう。

北野天満宮灯籠 子、丑(南)
北野天満宮灯籠 寅、卯(南西)
北野天満宮灯籠 辰、巳(北西)
北野天満宮灯籠 午、未(北)
北野天満宮灯籠 申、酉(北東)
北野天満宮灯籠 戌、亥(南東)

 配置は、南面が子丑で、時計回りに、寅卯、辰巳、北面が午未、さらに申酉、戌亥となっています。
 ふつう、十二支で方位を表す場合、北=子とし、東=卯、南=午などとなるのですが、ここではそれとは関係なく、南から順番に並べています。戦前には、寺社や名所旧跡に方位を示す石標などを設けることがありましたが、これはそういうものとも無関係のようです。

北野天満宮灯籠

 今年のえとの巳。とぐろを巻いたお決まりのポーズです。子、卯、申、酉、戌は、つがいや親子で彫られています。サルは毛づくろいしている様子。辰だけ顔のアップで驚かされます。
 
 十二支を意匠に取り入れた灯籠もあまり見かけませんが、そう古いものとも思われません。よく見ると、下のように刻まれていました。

 北野天満宮灯籠

 「昭和七年十二月」とあります。つまり、1932年。比較的新しいものでした。他に「石積幷ニ/建方奉納/麻田初太郎」と刻まれています。これは石工の名前でしょうか。
 「あぶない!たおれます」の札の下に、何年に再建したと記されているようなのですが、下が見えないので不明。戦後のようで、「施工 柴田石材株式会社」のところだけ読めます。灯籠自体をよく見ると、火袋の一部は新しい石材のようですから、再建時に直したのでしょうか。
 昭和7年当時の願主は、東面に記してありました。

 北野天満宮灯籠

 「千年講」。この講についてはよく分かりません。看板の下をのぞいても、他には何も刻字されていませんでした。昭和7年も暮れに建てられたので、翌8年は酉年です。そのことと何か関係があるのか、これも不明です。
 十二支を刻んだ石灯籠は、まったくないものではないようですが、ほとんど見かけない珍しいものでしょう。

 京都の寺社を歩いていると、思わぬものに出会いますが、この灯籠についてはもう少し考えないといけないようです。




 北野天満宮

 *所在:京都市上京区馬喰町
 *拝観:境内自由
 *交通:市バス北野天満宮前下車、すぐ
 


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