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船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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西国三十三所、秘仏の観音さま御開帳を参拝 - その2・六角堂 -





六角堂


 西国三十三所 十八番札所 

 六角堂。

 京都市街の真ん中にあるお寺で、聖徳太子が創建された古刹。住職を生け花・池坊の家元が務められているように、池坊とのつながりもよく知られているところです。
 正しくは頂法寺(ちょうほうじ)と言いますが、六角堂の名で通っています。
 西国三十三所観音霊場の十八番札所です。

 現在のお堂は、明治初期に再建されたものです。

 六角堂

 この写真を見ると、六角堂と言いながら六角じゃないのでは? と思われるかも知れません。
 でも、やはり六角形なのです。

 六角堂

 お隣の池坊のビルから撮った写真。
 六角形をした本堂(左)の前に、入母屋造の拝所(右)が付いている構造なのです。参拝者は、写真右側から入って来ますので、お堂が六角形とは思わないわけです。
 
 この本堂は、幕末の大火で焼失後、明治8年(1875)に建造されました。
 まさに「六角堂」という威容です。ただし、いつからこのような大きな六角形のお堂が建ったのかは難しい問題です。
 おそらく、中世には、比較的小さな六角形のお堂があって、それが大きな覆い屋の中に入っていたのではと考えられています。つまり、六角形の建物は厨子のようなものだったのかも知れません。

 また、当寺は聖徳太子の創建ですが、太子ゆかりの奈良・法隆寺には夢殿がありますね。これは八角堂です。
 八角形は円に近いので円堂とも呼ばれますが、六角形もその流れです。このような多角形のお堂は、どうやら夢を見る建物のようなのです。

 話が先回りしますが、今回の特別拝観で、六角堂内に安置された親鸞聖人像を拝しました。この像は、小さな座像なのですが、少し首をかしげておられます。つまり、眠りながら夢を見ている夢想の姿を表しています。
 親鸞聖人は、六角堂に百日参籠し、95日目に聖徳太子=如意輪観音の夢告を受け、それが宗教的転機となりました。
 そういった聖徳太子=夢につながりのある場所が、六角堂なのです。


 善男善女で賑わう特別開扉

 その六角堂で、11月5日から14日まで(2016年)、秘仏である御本尊の御開帳が行われました。
 この御本尊は定期的な御開帳はなされず、今回は7年ぶりの御開帳となるようです。

 六角堂

 前回訪ねた革堂(こうどう)に比べると、参詣者も多いようです。
 私も、知人のご婦人に出会ったので、御開帳かな? と思ったのですが、どうやら池坊さんの方へご用だったようです。

  御開帳看板

 本堂の前面左端に設けられた臨時の階段を上り、拝観料を納めて堂内に入ります。

 まず、外陣の左壁沿いに小さなお厨子があり、聖徳太子像が祀られていました。
 さらに、奥は内陣になります。

 左奥に、毘沙門天立像があり、これは重文指定されているそうです。

 善男善女 右端の階段は出口


 秘仏・如意輪観音を拝す

 そして、中央には立派なお厨子が据えられています。
 お厨子の前には、お前立ち(秘仏の御本尊の前に立っておられる仏さま)がおられます。如意輪観音菩薩です。
 右膝を立て、右手で頬杖ついておられるお姿です。

 その奥、金色に輝くお厨子の中に、御本尊・如意輪観音菩薩が安置されていました。
 それが、まことに小さな仏さまで、前の乗り出して目を凝らさないと十分にお姿を拝せないほどです。
 「寺門高僧記」など古い記録類には、六角堂の本尊は像高3寸(約9cm)の金銅像と記されているものが多いようです。また、幕末の「西国三十三所観音霊場記図会」(1845年)には、1寸8分(約5cm)とされているそうです(『西国三十三所霊場寺院の総合的研究』)。

 実際に拝した御本尊は、たいへん小さく、3寸とか1寸8分とか言われても頷けます。
 西国三十三所の本尊の中でも、最も小さいものかも知れません。
 八番札所長谷寺の御本尊は(立像ですが)10mもありますから、100分の1の小ささ。大きい仏さまも小さい仏さまも驚きを呼び起こします。
 
 台座は金色のように見えますが、御身体は私にはよく見えず、右手で頬杖をつかれているように思われます。
 その手に五色の糸が結えられており、お前立ちに結ばれ、さらに前に置かれた五鈷杵(ごこしょ。密教法具)につなげられています。参拝者は、この五鈷杵に触れて、結縁するというわけです。

 堂内には、池坊の生け花が供花され、そういう美しさも六角堂らしかったです。
 御本尊は秘仏と言いながら、なぜか絵葉書にもなっていて、細かなお姿も分かるのですが、遠くにおられる分には細々とは見えない。でも、それがまたありがたいというものです。

 蓮華

 特別開扉の記念としていただいた袋には、蓮華が3枚入っており、こちらにも六角堂らしく古風な生け花の絵が印刷されていました。
 
 ふだんは落ち着いた六角堂も、今日は少し華やぎ、賑やかな様子でした。




 頂法寺(六角堂)

 所在  京都市中京区六角通東洞院西入堂之前町
 拝観  自由(御本尊は秘仏)
 交通  地下鉄「烏丸御池」下車、徒歩約5分



 【参考文献】
 佐和隆研『西国巡礼 三十三所観音めぐり』現代教養文庫、1970年
 浅野清編『西国三十三所霊場寺院の総合的研究』中央公論美術出版、1990年
 


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