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船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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きょうの散歩 - まいまい京都で、大阪・谷町ツアーに行ってきました - 2016.10.30 -

その他




谷町周辺


 大阪マラソンの当日に…

 秋晴れの10月末の日曜日。
 いつもお世話になっている<まいまい京都>のみなさん約20名と、今日は大阪ツアーに出掛けました。

 場所は、谷町四丁目(大阪市中央区)付近。

 開催日を決めてから気付いたのですが、10月30日(日)は<大阪マラソン>の当日でした!

 マラソンはこの近くを通るのですが、幸い午前中に実施。私たちのツアーは、午後2時からということで難を逃れましたが、危なかった ! ! 

 まず、大阪歴史博物館の常設展示を見学。10階から大阪平野を見渡し、また大阪城を見たあと、7階を見学。
 そのあと、3時から街に出て、2時間ばかり歩きました。

 
 「谷町」という地名

 歩いた場所は、南北に通る道路・谷町筋の付近。
 なぜ、ここが谷町と呼ばれるのか? ちょっとしたナゾなのです。

 この街路は、上町台地という南北に伸びる台地上を走っていて、どこが谷かな? と思わせる地形。
 でも、よく観察すると、道がうねうねとアップダウンしています。

 近松門左衛門の「曽根崎心中」を読むと、冒頭の観音廻りの部分に谷町付近が登場します。
 主人公の女性がそこを歩くさまを表現しているところに、「のぼりゃすなすな、くだりゃちょこちょこ、のぼりつをりつ谷町すじを、あゆみならはずゆきならはねば」と書いています。

 上りの道は「すなすな」と、下りは「ちょこちょこ」と、女性が歩む様子です。
 「すなすな」は今は使いませんが、おしとやかな身のこなし、特に静かに歩むさまを表す言葉です。
 上りの坂道は、ゆっくり上ったのでしょう。逆に、下り坂は勢いが付きますから、ちょこちょこと小走りになったのですね。リアルな表現です。

 そんな谷町付近には、こんな感じで谷があります。

 小谷町

 私たちが「立呑み屋のあるとこ」と言っている坂です(笑)
 谷町筋から1本東へ入ったところの南北道ですが、どーんと落ちくぼんだ地形になっています。くぼみの底に風呂屋があるのも一興。
 このあたりは、江戸時代(明暦元年=1655)の絵図には「小谷町」と記されています。「こたにまち」と読むのでしょうか。この地名も、谷町筋の地名の由来のひとつと考えています。

 小谷町の西に当たる谷町筋には、「北谷町」「南谷町」という地名があって、このあたりの谷が谷町地名の語源になっていると推測しています。

 もともと、谷町筋の東にある上町筋は、小高い台地上にあり、標高約20m。そこから西、谷町筋の方向になだらかに下っています。
 それを、おそらく江戸時代、武家屋敷を造る際に、整地して崖を造成したのでしょう。崖は、明治時代に陸軍施設が置かれると、より堅固になったと思われます。
 そのため、歩兵第三十七連隊跡に当たる国立病院機構大阪医療センターの西には、急な階段が4つもあります。

 谷町の階段

 落差は、5~6mあるでしょう。
 まったく意識しない場所に、突然現れる急階段です。

 こんなふうに地形がおもしろい谷町周辺。
 ほかにも、江戸時代に造られた下水網「背割り下水」をのぞける場所もあります。

 背割り下水
  南大江小学校西側ののぞき窓から見られる

 これらの下水は、俗に「太閤下水」といって豊臣秀吉が造ったように言われていますが、ほぼ徳川時代に形成されたものと考えられています。「背割り」と称するのは、町と町の後ろ、つまり背中(町境)を分ける下水のため、そう呼ぶのです(これもたぶん戦後の呼称かと思いますが)。

 狭い範囲を2時間ばかり、ちょこちょこ歩いた谷町ツアー。
 なかなか興味深く、参加者の皆さんからも好評でした。
 また行ってみたいと思います。




 谷町四丁目付近

 所在  大阪市中央区谷町ほか
 見学  自由 (背割り下水も、いつでも自由にのぞける)
 交通  大阪市営地下鉄「谷町四丁目」下車、すぐ



  【お知らせ】
  11月1日(火)、NHK「ニュースほっと関西」(18:10~19:00)に、コメントにて出演予定です。
  お芝居に関する特集コーナーです。よろしければご覧ください。

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コメント

上町台地の谷

度々HNを変えて恐縮ですが、先ずは大阪・谷町ツアーの当日がお天気で良かったです。

上町台地は海底に堆積した土砂や小石が隆起した地質なので非常に浸食され易く、10を越える谷がありました。

今は建物が密集している上町台地ですが、南端の住吉大社境内では隆起した儘の地層の露頭も見られます。

30年程前に大阪市鶴見区に住んでいた頃、夏祭のくじ引き景品や七五三詣の授与品を買いに、自転車で上町台地を越え、谷町筋の西隣の松屋町(まっちゃまち)筋の問屋街に行き、教育塔附近の自販機でジュースなどを買って休息していました。

それより以前に谷町の東側の清水谷町の紙文具屋にも勤務していたことがありますが、その頃は地形に関心が無く、谷筋を意識しませんでした。

ご愛読ありがとうございます

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

上町台地は、実際に歩いてみると、思った以上におもしろいものです。
船場あたりとの相違も楽しめ、大阪の中心部は改めて歩いて楽しいところだと思います。

ツアー当日は好天に恵まれ、参加者の皆さんも、複雑な地形に驚いておられました。
ふつうに街で仕事などしていると、見過ごすような地形が面白いです。

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