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船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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【新聞から】京都を悩ます2つの “新幹線” 問題

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リニアうちわ


 北陸新幹線の 3ルートが大詰めへ

 ここ数日、新聞紙上をにぎわしているのが、北陸新幹線の延伸ルート。
 
 北陸新幹線は、東京から信州、北陸を経由して、大阪に至る整備新幹線です。昨年(2015年)3月に金沢まで開通し、今後、福井、敦賀へと延びることが決まっています。
 問題は、そこから先のルート。

 昭和48年(1973)に策定された新幹線の整備計画では、北陸新幹線は福井県小浜市付近を通って、大阪に至ることになっています。
 その後、さまざまな案が検討されてきましたが、現時点で候補となっているのは、3つの案です。

 ・米原ルート
   敦賀から、東海道新幹線の米原へ至る。
   滋賀県が推している案。
 ・小浜ルート
   小浜・京都ルートとも呼ばれる。
   従来の小浜ルートは、福井県小浜市から、京都府亀岡市付近を
   通る案だった。
   昨年、JR西日本が新たに、小浜から京都駅を経由して新大阪に
   至る案を提示した。
   福井県が推している案。
 ・舞鶴ルート
   敦賀-小浜から、京都府舞鶴市付近を経由して、京都駅に
   向かう。
   3案のなかで最も距離が長い。
   京都府が推している案。

 この3つです。
 最近、滋賀県が3ルートの建設経費を試算し、小浜ルートや舞鶴ルートは1兆円以上かかるが、米原ルートは約4000億円で出来る、とブチ上げて、京滋間に険悪な空気が漂い始めました。
 もっとも、米原ルートが最安価ということは、以前から衆目の一致するところで、今更どうこう言うのもキナくさいですね。

 舞鶴ルートは、全般に評判がよくなく、京都新聞(2016年4月27日付)によると、「北陸から舞鶴に行きたがる人はいない」「完全な地域エゴ」という声も出ているとか。いわゆる “我田引鉄” だというわけです。
 小浜と舞鶴は約40kmも離れており、大阪へ至るルートとしては “遠回り感” は否めません。


 リニアの方は?

 一方、以前から京都で誘致の声が上がっているリニア中央新幹線。
 名古屋までのルートは決定しましたが、それ以西は未確定です。

 当初から奈良市付近を通る計画ですが、京都関係者は盛んに京都駅経由を誘致していました。
 ところが、2016年6月の京都市長、府知事の定例記者会見で、“京都駅を通らず、学研都市経由でもいいよ” と取れる発言が出ました。
 学研都市とは、関西文化学術研究都市(通称「けいはんな学研都市」)のことで、京都府南部を含む京阪奈丘陵に位置しています。
 市長らが言ったのは、学研都市でリニアと北陸新幹線を接続させる、というプランなのです。
 どういうことかというと、北陸新幹線は京都駅を出て新大阪へ向かう途中、大阪府箕面市付近を通る北回りルートと、京都府・学研都市方面を通る南回りルートとが検討されているのです。この南回りルートに、リニア新幹線を接続する、という意味なのです。

 ふつうに読めば、もはやリニアが京都駅を通過するのはありえないから、せめて府内を通ってほしい。リニア京都駅は我慢するかわりに、北陸新幹線の舞鶴ルートを実現させてくれないかな…… ということでしょうか?

 われわれ京都府民からみても、舞鶴経由の北陸新幹線はかなり苦しいルートに思えます。
 舞鶴は、かつての軍港都市、今も日本海側の要港のひとつですが、大阪への速達性などを考慮すると適切なルートとは思えません。建設経費も最も高額で、3分の1の地方自治体負担も本当に可能なのか、疑問が拭えません。こういった京都側の主張が、北陸各県のみなさんに総スカンを喰っていることも無理からぬことです。
「週刊鉄道経済」の連載を持つ杉山淳一氏は、鉄道ルートの決定は地域の利益よりも国益を優先すべきだとして、小浜ルートを支持しています(IT media ビジネス online 2016年3月11日付)。

 私も、その考え方が正しいと思います。“我田引鉄” はよくないです。
 また、誰もが論外っぽいと思う「山陰新幹線」とくっ付けて、政治力を発揮しようとするのも、よろしくないでしょう。

 京都が抱える、ふたつの新幹線問題。
 その答えも近いうちに出そうです。
 誘致をはかる関係者には不本意な結果になるかも知れませんが、新幹線は京都だけのものではないことをお忘れなく。
 

  京都タワー


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