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PROFILE

船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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【新聞から】中心街の信号撤去でどう変わる?





三条東洞院交差点


 信号撤去したら事故減った
 京都の中心部、安全意識向上も
 京都 2016年6月28日付 



 京都市街の中心部、とりわけ中京区、下京区のあたりは、自動車や人の交通量が多い割りに道路は狭いままです。
 まぁ、「古都」なんだから仕方がないとはいうものの、市民生活にも観光にも不便かつ危険な状態を招きかねません。

 私も、たまに中京、下京の街路をクルマで走ることがありますが、ほんとに狭い所があるんです。
 例えば、仏光寺通(四条通より2本南の東西の通り)の柳馬場通より東。これは、とっても狭い!
 地図を見てもらえば分かりますが、富小路通との交差は食い違いになっていて危険。さらに、御幸町通との交差のところは、御幸町南行きから左折するのに難渋するような狭さです。
 もちろん、クルマで走行できるのですが、本来はクルマで入ってはいけないような街路(もちろん一方通行です)。まぁ、クルマのない時代に出来た道なのだから、仕方ないんですけどね……


 信号を撤去した三条通、東洞院通

 三条東洞院交差点

 いま言ったところは、下京区です。
 今回、京都新聞に載ったところは、中京区。御池通-烏丸通-四条通-河原町通に囲まれたエリアです。
 この地区で、信号機を撤去し、制限速度を20㎞に下げる(三条通)という施策が昨年(2015年)10月下旬に実施されたのでした。

 上記のエリアは、先ほどの仏光寺通のような超狭い道はありません。あっても、錦小路通や新京極通のように車両は入れないアーケード街になっているわけです。
 ただ、三条通や東洞院通は少々道幅が広くて、信号機も設置されていました。

 ・三条東洞院 ・三条高倉 ・三条柳馬場 ・東洞院蛸薬師

 この4か所に信号機があったそうです。 
 これを取り払って「止まれ」にしました。

 三条東洞院交差点
  新設された一時停止の標識(三条東洞院)

 念のため、というわけではないのですが、2014年撮影の写真です。

 三条東洞院交差点
  三条東洞院にあった信号機(2014年1月撮影)

 歩行者用信号を含む信号機が設置されていましたね。

 三条東洞院交差点
  信号機を撤去した三条東洞院(2016年5月撮影)

 こちらは今年撮影したもので、信号機は撤去されています。

 京都新聞の記事では、撤去前の2015年3月~8月、三条通の烏丸-柳馬場間での人身事故は4件あったけれど、実施後の2015年10月~16年4月は無事故だったそうです。
 交通量はほとんど変化していないということで、ドライバーが注意して走行するようになったからでしょうか。

 三条東洞院交差点
  東洞院通は屈曲している


 通りと町

 この施策は、通学路の安全性向上など、地域の交通安全のためであることはもちろんだと思います。加えて、「歩くまち京都」というビジョンの一環として、四条通の歩道拡幅などと関連付けて捉えられるものです。
 そういう意味では、交通施策だし、歩行者優先のまちづくりの具体化だと言えます。

 私が注目したいのは、京都における街路=通りの意味です。
 京都における住民のコミュニティは「町(ちょう)」と呼ばれてきました。
 これは、空間的には両側町と呼ばれ、街路=通りを挟んだ “お向いさん” が1つの町を形成します。
 つまり、街路は町と町の境界ではなく、町の真ん中に存在するスペースなのです。

 京都では家の外のことを「カド」と言いますけれど(漢字では「門」)、この言葉は、家の前の空間を自分に関係がある空間として捉える暮らし方を示しているのだと思います。
 そこは主婦たちが井戸端会議する場だったり、行商人から品物を買う場だったり、子供が遊んだりお年寄りが夕涼みしたりする場所だったりして、荷物を置いたり駐車したりすることも含めて(今日では違法かも知れませんが)、多目的に使える空間だったのです。
 だから、通りは狭くてもいい、というより大通りでは困るし、自動車にビュンビュン走られても困るわけです。
 
 このような観点に立つと、中京や下京の街中の通りは、出来るだけ自動車が通行しないようにして、ひとが生かせる空間にする方がよいのでしょう。

 来月は祇園祭ですが、鉾や山が立つと自動的に車両は通行止めになってしまいます。
 このような使い方が本来自然なわけで、京都の街路は単なる道ではなかったのでした。



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コメント

私は専ら歩いています。

京都の場合、今更道路を拡幅するのは難しいので、これからも試行錯誤しながらの交通対策を練って行くしか無いでしょうね。

私は運転免許証を持っていないので、京都へは偶に自転車で行くこともありますが、帰宅が遅くなると夜間走行が怖いので、やはり京阪電車に乗って目的地まで歩くことが多く、記事も書いておられるように、山鉾が建っている期間の鉾町は自動車を気にしないで歩けるので、実に気分が良いものです。

今の時代、商売をしている人は自動車を使わざるを得ませんが、タクシーなどは曜日や時間で走行を規制した方が、観光都市京都の価値を高めるのでは無いかと思っています。

私が京都でタクシーに乗ったのは只の一回きりで、母親に連れられて京都へ行った60年以上も前のことで、その時「京都のタクシーは小さいなぁ」と思ったことを覚えています。

だから、今でも京都の狭い通りにまで入って来るタクシーを見る度に、「歩かないと足が萎えてしまうぞ」と心の中で呟いています。

確かに、現代は時間も貴重な時代なので、タクシーが重宝なことも判りますが、歩いて『第2の心臓』と言われる足を鍛えて長生きする方が良いように思います。

ご愛読ありがとうございます

いつもありがとうございます。

京都は街路が狭いうえ、拡幅も無理なので、もっと自動車の通行規制を行った方がよいと思います。
今回取り上げた三条通も、できれば深夜早朝をのぞき車両通行止めにした方がスッキリするし、観光振興にもなるのではと思います。

私も歩くことは好きなのですが、多くの方は歩くのは嫌いなようで(笑)、また年配の方もいらっしゃるので、今後の交通施策は悩ましいところですね。

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