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船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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きょうの散歩 - 初めて入った、ある建物とは - 2016.6.21 -

洛東




天理教河原町大教会


 丸太町にある現代の和風建築

 河原町あたりを買物&散歩して、まっすぐ帰るのもつまらないので、さらに散歩を続けた、この日。

 鴨川の東側を歩いて北上すると、丸太町通に出ました。
 川端丸太町の手前に、こんな施設が……

 天理教河原町大教会

 あぁ、これは前から見ている建物だけれど、写真を撮ったことがないので、ちょっと見てみよう--と、敷地の中に入ってみました。

 今日は天気もよく、改めて見ると、よく出来た建築です。

 天理教河原町大教会

 横方向に長い建物で、うまく数えられないけれど、桁行(けたゆき)は9間ほどありそうです。
 入母屋造平屋建で、左側に大きな入母屋の車寄せを取り付けています。
 主屋の部分は古風な感じもしますが、この車寄せが近代的な印象。江戸時代なら、中央に向拝を付けるところでしょう。おそらく、ここで “和風” というインパクトを出しているのですね。

 天理教河原町大教会

 構造は、鉄筋コンクリート造のようです。
 なので、細部もご覧の通り。

 天理教河原町大教会

 意匠として、和風っぽく仕上げています。

 高欄もしっかり造られており、擬宝珠も控えめな感じに取り付けられています。

 高欄


 なんの建物か? 

 では、この建物は何の用途に使われているのでしょうか?

 もしこれが戦前(昭和初期)に建てられたとするならば、公共建築であってもおかしくありません。
 この近くにも、こんな建物があります。

 京都市美術館別館
  京都市美術館別館

 岡崎公園の京都会館(ロームシアター)敷地内にあり、先ごろまではその別館でした。
 戦前の市の公会堂で、昭和5年(1930)に建てられました。

 入母屋造、銅板葺の屋根。その右端に千鳥破風を付け、階段を上って入る玄関には大きな唐破風が目立ちます。鉄筋コンクリート造の建物です。
 俗に言う “桃山風” に見える近代建築ですね。

 今回の建物は、しかし戦後に建てられたので、もう少しスッキリしていて、しかも公共建築ではありません。

 実は、この建物……

 標石

 宗教建築、それも天理教の教会なのです。

 天理教河原町大教会。
 少しあやふやなのですが、1989年の建築のようで、竹中工務店によるものと聞きました。竹中工務店は、天理教の建築を結構手掛けています。

 これまで、天理教の建築をほとんど意識的に見たことがないので分からないことも多いのです。もちろん、各々の教会や建築時期によってもスタイルは異なるのでしょう。

 天理教河原町大教会

 この建物、見た目の印象は、城郭とも寺院とも取れるような意匠です。
 しかし、壁面が少ないので、余り城っぽくありません。どちらかというと、お寺のイメージでしょうか? 
 
 手水鉢
  立派な手水鉢も


 思い切って内部へ

 私は、いい歳になったせいか、お寺でもキリスト教会でも、中に入ってよいところは遠慮なく参拝させていただきます。けれども、いわゆる新宗教と呼ばれる宗派の建物には、ほとんど内部に入った記憶がありません。天理教もそうでした。

 今日も写真だけ撮って帰ろうかと思いましたが、一人のおばさんが入って行かれたのと(信者さんでした)、玄関が広く開放的だったので思い切って入ってみることにしました。

 内部は、とても広い空間です。目分量でも、300人とか楽に入れそう。
 南北に長い空間ですが、東西の幅も結構あります。上手である南の方に結界(柵)があり、その上に祭壇が祀られています。ここには、親神(天理王命)や教祖(おやさま=中山みき)、御霊が祀られています。それぞれが、中央と左右に祀られているわけです。
 上部には、御殿風の御簾が掛っています。

 誤解をおそれずに言えば、空間的には浄土真宗の御影堂などによく似ています。
 この教会は、信者さんの集まる空間が桁行5間、梁間3間あって、結界内の祭壇部分が桁行3間くらいのようでした。これらの周囲には広縁がめぐらされており、現代的に言うと3方が廊下に取り巻かれている感じです。
 おそらく、数百人規模の信者を収容し、かつ祭礼を執り行うには、おのずとこのような空間になるのでしょう。

 平屋なのですが、地下があって、そこは駐車場ということでした。

 天理教河原町大教会
  
 玄関の両脇に片流れの屋根が付いていますが、ここが地下へ降りる階段部分です。

 地下駐車場誘導路

 車両は、敷地南端の誘導路から入ってきます。
 このあたりは、とても現代的ですね。

 また、建物は棟が南北方向に伸びているのですが、航空写真などで見ると、少しだけ南東に振っています。
 これは、その方向が天理の教会本部に当たるからのようです。つまり、信者さんは参拝すると、教会本部を向いて拝んでいることになるのでした。

 しばらく座っていると、5人の外国人ツーリスト(欧米人)が入ってきました。
 やはり建物を見て、宗教建築と分かったのでしょうか。

 そのあと、今日こちらに詰めているという大津の教会の方と、いろいろお話しました。
 ここは「大教会」で、その下に250ほどの「分教会」があるということです。
 ご本人の入信理由も含め、興味深くお聞きし、改めてこの宗派への関心が湧いて来ました。機会があれば、天理の本部にも行って、詳しく建築を見てみたいものです。




 天理教河原町大教会

 所在  京都市左京区川端通丸太町東入ル東丸太町
 参拝  自由
 交通  京阪「丸太町」下車、すぐ



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