05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
MENU

NEW ARRIVAL

PROFILE

船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

ARCHIVE

【新聞から】四半世紀ぶりに南座を離れる顔見世興行、初めての空間で体験する歌舞伎に期待





先斗町歌舞練場


 今冬の歌舞伎「顔見世」、先斗町歌舞練場で
 南座休館中
 朝日 2016年5月31日付


 歌舞伎興行を主催する松竹は、今年(2016年)の顔見世を先斗町歌舞練場で開くことを発表したと、新聞各紙は報じています。

 顔見世というと、京都の冬の風物詩として知られ、招き看板を上げる風景が親しまれています。
 その舞台となる劇場・南座は、昭和4年(1929)に建てられ、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)ながら和風の意匠をまとった名建築として国の登録有形文化財にもなっています。

 文化遺産オンライン(文化庁)には、

 桃山風の意匠を凝らした劇場建築で、総客席数1500余の大劇場を収容する。平成2年から3年にかけて改修が行われ、外観は竣工当時の姿に復元された。演劇の中心地の一つとして、また都市のランドマークとして、広く親しまれている。

 と説明されています。

 南座
  京都を代表する劇場・南座

 南座は、鴨川に架かる四条大橋の東詰にあります。
 ここは、四百年余り前、出雲阿国(いずものおくに)が「かぶきおどり」を行ったところで、歌舞伎発祥の地とも言える場所です。

  出雲阿国像 出雲阿国像(四条大橋東詰北側)

 かつて京都には、新京極や西陣をはじめ市内各所に数多くの劇場があり、歌舞伎も上演されていましたが、いま歌舞伎を上演する常設的な劇場は南座だけになりました。


 耐震工事で休館中

 ところが、その南座は今年に入って、1月下旬から、耐震工事を行うため休館中です。
 耐震診断で法の基準を満たさないことが分かったため、今後の工事に向けてお休みというわけです。

 そのため、とりあえず今年の顔見世は、南座では行えなくなりました。
 じゃあ、どこでやるの? という話ですよね。

 “代打” として選ばれたのが、先斗町(ぽんとちょう)の歌舞練場です。
 京都新聞によると、南座は現在、約1,078席あるそうですが、先斗町歌舞練場は540席だそうです。ちょうど半分のキャパシティーですね。
 今年の顔見世は、中村雀右衛門丈の襲名披露もあるだけに、半減は少し心配です。

 先斗町歌舞練場
  先斗町歌舞練場

 もっとも、先斗町歌舞練場は、このブログで何度も書いているように、近代劇場建築としては珠玉の名作です。
 設計した木村得三郎(大林組)は劇場建築の名手と呼ばれ、その代表作のひとつが先斗町歌舞練場で、昭和2年(1927)に竣工しました。南座より、2歳先輩です。舞台の間口は75尺(約22.5m)と広いのですが、敷地の関係上、奥行きが浅いのが特徴で、舞台の裏はすぐ先斗町の通りになっています。

 先斗町歌舞練場については、こちら! ⇒ <先斗町歌舞練場、狭斜の巷にそびえるアジア的な造形に見惚れる>

 この歌舞練場で顔見世が行われるなんて、どんなにステキなことかと、ファンの私にはうれしい限りです!

 ところで、新聞記事には、南座で顔見世が開かれないのは1990年以来、とあります。
 上記「文化遺産オンライン」に、平成2年から3年にかけて改修したと書かれていますが、その工事の際、1990年冬の顔見世を他のところで行ったのです(平成2年は1990年ですね)。

 その場所が……

 祇園甲部歌舞練場

 祇園甲部歌舞練場でした。

 実は、私、この甲部歌舞練場での顔見世を見ているのです。

 私が初めて南座で顔見世を見たのは、確か大学1回生のときで、その日はたまたま夜に大雪が降り、芝居が終わって外に出ると、四条通には雪が積もって、タクシーがチェーンを巻いて走っていたのを覚えています。
 それから数年後、特に意識せずに行った顔見世が、甲部歌舞練場で行われていたのでした。
 芝居の中身はそれほど覚えていないのですが、唐破風のある玄関から廊下を伝って会場に行ったことや、そのあたりに売店が出ていたことなどを覚えています。やはり役者さんと観客との距離が近かった印象があります。

 今度の先斗町での顔見世も、たぶん役者さんとの距離がグッと縮まることでしょう。
 もしかすると、先斗町で憧れの役者さんと擦れ違うこともあるかも!

  南座の櫓 南座の櫓




 先斗町歌舞練場

 所在  京都市中京区先斗町三条下る
 見学  外観自由
 交通  京阪「三条」下車、徒歩約5分


スポンサーサイト

コメント

非公開コメント