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PROFILE

船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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不明門通という魅惑的な名前の通りを歩いてみる





不明門通


 京都駅から歩ける通り

 京都府の旅券事務所は京都駅にあり、そこに立ち寄った帰り、駅前にある大地図を前に、私は腕組みをしていました。

 これからどの通りを歩こうか、と。

 5分近く腕組みをしたあと、ここが面白そうだな、という通りを発見。
 それは、烏丸通と東洞院通の間にある細い街路でした。

 通りの名を「不明門通」と言います。

 東本願寺
  東本願寺

 まず東本願寺に参拝して、そのあと、広い烏丸通を東へ横断。
 このあたりは、本願寺の門前町らしく、念珠店、法衣店、仏教書専門店など、お寺関係の老舗が多いところです。

 念珠店看板
  風格のある念珠店看板

 東本願寺の御影堂門の向い側に、法衣店があります。

 法衣店

 このお店の2階外壁に、仁丹の町名看板が掲げられています。

 仁丹看板

 「正面通不明門東入 廿人講町」と書いてあります。

 ここは正面通と不明門通の交点の東です、という意味ですね。
 ところが、その上に掲出してある新しい表示板には、次のように記されています。

 「正面通烏丸東入ル 廿人講町」

 ん~、こちらは烏丸通になっていますね。

 そうなんです、実は、この念珠店のあたりは、かつては不明門通が南北に通っていたのですが、明治末に烏丸通が拡幅されて、不明門通が消滅してしまったのでした。

 烏丸通
  広くなっている烏丸通

 附近図

 東本願寺の上(東)に「不明門通」がありますが、本願寺前だけ烏丸通に “飲み込まれている” ことが分かりますね。


 不明門通の南端部

 この不明門通、音読みすると「フメイモン」通となりますが、さすがにそうではありません。
 では、と普通に読めば「あかずのもん」通となるでしょうか。
 
 そう、それでも間違っていませんし、「あかずもん」通という読み方もあります。

 次に、この写真を見てください。

 町名表示

 ここには「akezudo-ri」、つまり「あけず」通となっています。
 なるほど、門を省略した読みですね。

 『京都市の地名』は、「不明門」に「あけず」というルビを振っていて、江戸時代の「京羽二重」には「あかずのもん通」とある、と書いています。
 また、『京都の大路小路』は「あけずのもんどおり」としていて、別称もあるとのことですが、それについては改めて触れることにしましょう。

 同書によると、不明門通の南端は、京都駅前の塩小路通ということです。
 実際、駅前あたりは、細い路地のような表情で、旅館などが建っている地区です。
 その道が七条通を越えると、まもなく烏丸通に吸収されてしまうのでした。


 念珠店も楽しい

 先ほどの法衣店のところから100mほど北へ進むと、烏丸通と別れを告げて、単独の不明門通が始まります。

 不明門通
  右端をまっすぐ伸びる通が、不明門通

 写真の右角(赤いクルマが停まっているところ)は、念珠店です。
 この店が、なんとなく面白いんですね。

 念珠店

 近代的なビルの入口に、ふたりの僧が……

 お顔を拝すると、やはり親鸞上人でした。

 ショーウインド。

 念珠店

 魅力的な品物が多いです。
 一番上には、たぶん売り物じゃない「未来くん」が!
 これは、ずいぶん昔の京都国体のマスコットで、牛若丸がモチーフです。
 
 未来くんの下のオブジェ? も興味深いけど、これがイチオシ ! !

 合掌人形

 「合掌人形 貯金箱型」

 貯金箱型というか、たぶん貯金箱なんでしょうね。男女あります。1体648円也。
 絶対、手で彩色してます。細かい仕事!

 ウインドの先には、こんな貼紙も。

 念珠店貼り紙

 「数珠(じゅず)製造職人さん募集中(パート・内職)」

 初心者でも丁寧に指導してくださるらしい。
 確かに、この店ではないけれど、ここらを歩くと、店内で女性が数珠を作っておられる場面が見受けられます。数珠もやっぱり手作りなんですね。
 本当に本願寺の門前らしい。

 そういえば、この付近は東西の通り名も、上珠数屋町通、中珠数屋町通、下珠数屋町通ですよね。

 結構おもしろそうな不明門通なのですが、まだ150mしか進んでいない!
 つづきは、次回に。


 (この項、つづく)




 不明門通

 所在  京都市下京区不明門通上珠数屋町ほか
 見学  自由
 交通  JR「京都」下車、徒歩約5分



 【参考文献】
 『日本歴史地名大系27 京都市の地名』平凡社、1979年
 『京都の大路小路』小学館、2003年


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