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PROFILE

船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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信濃善光寺から考えた巨大な仏堂

建築




西本願寺御影堂


 久々の信濃善光寺

 このあいだ、久しぶりに信州に行ってきました。友人との単なる温泉旅行なのですが、帰りに善光寺にお詣りしてきました。

 善光寺
  善光寺(長野県)

 善光寺も、たいへん長い間、参拝していませんでした。
 改めて本堂を拝すると、その立派さに感動を覚えます。

 このお堂の特徴は、建物を上から見ると T字形をしていることです。
 そう、撞木(しゅもく)の形をしているので、撞木造と呼ばれています。

 とてもざっくり言うと、タテ向きのお堂とヨコ向きのお堂をT字形につないでいるのです。
 ただ、軒の出は揃っているので、航空写真で見ても長方形なのですが、棟の形がT字なのです。

 そのため、奥行きが深い建築になっています。

 善光寺 横から見た本堂

 柱間でいうと、間口が7間に対して、奥行きが16間もあります。
 実際の長さにすると、23.85m×53.65mで、ヨコ・タテ比がほとんど1:2ですね(mは両端の柱の間の寸法。以下同じ)。

 日本の木造建築は、桁行(けたゆき)方向には延々と伸ばしていけます。
 善光寺は、妻入りなので、どんどん伸ばしていって、こんな奥行きの深い建物になったのです。伸びていった部分は、大勢の参拝者を受け入れるスペースになっています。
 
 宝永4年(1707)の建築で、江戸時代のものらしく背の高い仏堂。東大寺大仏殿とほぼ同じ時期の建物です。
 木造の古建築では、奥行きが最も深いのが、この善光寺本堂でしょう。


 長さのトップは三十三間堂

 いま私が参照している数字は、文化庁監修『国宝・重要文化財大全』によっています。
 それによると、東大寺の大仏殿は、7間×7間で、端の柱から端の柱までが、間口57.01m×奥行き50.48mです。
 確かに奥行きは善光寺の方が3mほど長いのですが、間口は長大ですね。

 もっとも、桁行が日本一長い木造の古建築は、三十三間堂です。

 三十三間堂
  三十三間堂(蓮華王院本堂)

 この建物は、柱間は35間×5間です。
 三十三間堂という呼称は、内陣の柱間が33あることによっていると言われています。35間というのは、外陣の柱間で、外から眺めると柱の間が35数えられます。
 昔の人は、三十三間堂の「間」を長さの単位・間(けん)と考えていて、長さが60mほどある建物だと思っていたのです。

 しかし、実際の長さは、118.22m。
 先ほど言ったように、桁行を延々と伸ばしていった結果が、このような建物を造ってしまったわけです。
 
 建築年代は鎌倉時代の文永3年(1266)ですから、善光寺や東大寺大仏殿より440年ほど古く、何度も修理を重ねているとはいえ、寿命の長さに驚かされます。


 東西本願寺 御影堂の規模

 国宝や重文に指定されている建造物で言えば、西本願寺の御影堂や阿弥陀堂も大規模です。
 特に、御影堂は、54.89m×39.48mあります。

 西本願寺御影堂
  西本願寺御影堂

 浄土真宗の仏堂は、通常規模が大きいのですが、明治維新以前のものでは、これが最大です。
 寛永13年(1636)に建てられました。
 内陣と外陣の畳数を合わせると、700畳以上あると言います。
 いつでも参拝者が堂内に入れるのも、ありがたいところです。

 もっとも、明治以降ということで言えば、西本願寺より東本願寺の御影堂の方が大きいのです。

 東本願寺御影堂
  東本願寺御影堂

 明治28年(1895)の竣工で、登録有形文化財なのですが、間口が63.63m、奥行きが45.45 m。軒の出まで入れると、間口は76mに及ぶそうです。
 建築面積も2,891.98㎡あるといい、こちらの方が大仏殿(2,877.86㎡)より大きい、という向きもあるようです(『両堂再建』)。

 と、ここまで書いてきてなんですが、何が一番かは尺度の違いもありますので、余りこだわるのも変な話でしょう。
 三十三間堂を除いて、江戸時代の寺院建築は、こちらにあげたもののほかにも、清水寺、知恩院、長谷寺(奈良)など大きな仏堂がたくさんあります。庶民への信仰の普及によって、大勢の参拝者を収容できる堂宇が造られていったことがよく理解できます。
 
 信濃の善光寺は、私が訪れた日もたくさんの参拝者で賑わっていました。
 そういう光景を見ることは、やはりうれしいものです。




 西本願寺御影堂(国宝)

 所在  京都市下京区堀川通花屋町下ル
 拝観  自由
 交通  JR「京都」下車、徒歩約10分



 【参考文献】
 『国宝・重要文化財大全 11 建造物・上』毎日新聞社、1998年
 『両堂再建』真宗大谷派宗務所出版部、1997年


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