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PROFILE

船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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滋賀・五個荘の近江商人は、京都にも展開して店舗経営した

その他




滋賀・五個荘


 近江商人のふるさと・五個荘

 2週間ほど後、仕事で滋賀・五個荘に見学会に行くので、ちょっと下見に行ってきました。といっても、休日を利用してクルマでぶらりと見に行っただけなのです。

 五個荘(ごかしょう)は、以前は滋賀県神崎郡五個荘町だったのですが、市町村合併で東近江市五個荘となりました。
 近江商人の根拠地として、近江八幡、日野、高島などと並んで知られています。

 滋賀・五個荘

 五個荘は、「てんびんの里」と言うことも多いようです。これは、天秤棒(てんびんぼう)を肩にかけて荷を運び、商いした行商人の姿を現しています。

  滋賀・五個荘 近江商人像

 
 伝建地区の町並みを歩く

 京都から、クルマで行くと1時間半から2時間というところ(高速道路を使うと、もっと早そう)。
 近江八幡、安土などとセットで観光できます。

 近江八幡は、バームクーヘンで有名な店(というか、クラブハリエ)も出来て、観光客でにぎわっています。水郷のまちとしても知られていますし、建築家ヴォーリズが活躍した場所としても著名ですね。けれども、近江商人の痕跡をたどるという意味では、八幡より五個荘の方が叶っている気もします。

 滋賀・五個荘
  五個荘の町並み

 五個荘とひとくちに言っても、ひとつの町があるわけではなく、農村地帯に点在する幾つかの集落から構成されています。
 金堂(こんどう)、川並(かわなみ)、宮荘(みやしょう)、竜田(たつた)、山本など、商人たちの居住地があります。
 このうち、金堂地区は重要伝統的建造物群保存地区(略して重伝建地区)に指定されています。言ってみれば、町並みの重文のようなところです。
 
 滋賀・五個荘
  五個荘  繖山と愛知川のあいだに集落が点在する

 金堂は、伝建地区になったので、町並みも整備されています。
 金堂まちなみ保存交流館や、「近江商人屋敷」と称される3つの邸が公開されています。今回は、それらを見学してみました。

 集落の南端に観光センターがあり、無料駐車場があります。ここは伝建地区の外ですが、クルマを停めて、集落に入って行きます。
 まず遭遇するのが、弘誓寺(ぐぜいじ)。

 滋賀・五個荘
  弘誓寺

 浄土真宗の寺院です。
 お寺のパンフレットでは、写真の山門は元禄5年(1692)築となっています。結構古いですね。細部をよく見ると、彫刻など少々新しい部分もあるようなので、今日に至るまでに手が入れられているのでしょう。

 そして、本堂です。

 滋賀・五個荘

 滋賀県には、真宗で立派な本堂が多数ありますが、これもそのひとつ。宝暦14年(1764)の建築で、重要文化財に指定されています。

 そんな弘誓寺を見終え、公開しているお邸が集中している北側のゾーンへ向かいます。


 近江商人屋敷を見る

 滋賀・五個荘
  旧大和郡山藩陣屋長屋門(勝徳寺山門)

 かつて金堂には、大和郡山藩の陣屋が置かれていました。同藩が近江国に持った所領を治めるため、この場所に陣屋を設けていたのです。その長屋門は、いま勝徳寺に移築されています。

 公開している商人の邸は4つあり、ひとつは無料の金堂まちなみ保存交流館(旧中江富十郎邸)。
 あとの3つは共通券がある邸で、外村繁邸、外村宇兵衛邸、中江準五郎邸です。

 滋賀・五個荘
  外村繁邸の水屋

 外村(とのむら)という家は、当地の有力商人です。そのひとつ、外村与左衛門は布屋の屋号で手広く商いを行いました。
 京都市中京区の東洞院通蛸薬師上るにウィングス京都(男女共同参画センター)がありますが、その向いに「外与」という会社があります。総合繊維商社ですが、読みは「とのよ」。実は、この外与が、外村与左衛門の略で、五個荘にルーツを持っているのでした。

 外村宇兵衛家は、六代目与左衛門の末子が分家したものです。
 また、外村繁邸は、作家・外村繁の生家ですが、四代目宇兵衛の婿養子が分家した家なのだそうです。

 滋賀・五個荘
 
 外村宇兵衛邸の外。綺麗な流れにコイが泳いでいます。
 小さな通水口から中へ入ると、

 滋賀・五個荘

 川戸(かわと)という洗い場になっています。敷地内に引き込んで、屋根まで掛かっているのが立派ですね。

 主屋の裏は、現在では空地になっていますが、かつては建物が建て込んでいました。
 写真は、書院の跡(礎石)。

 滋賀・五個荘

 この建物は、展示されていた昭和15年(1940)の資料によると、主屋と廊下で結ばれており、24坪あって、二面に縁をめぐらしていました。のち、京都の仏光寺に移築されたそうです。今もあるのかな? と思いながら、礎石を眺めました。

 京都絡みの話で言うと、四条通の大丸のはす向かい(四条烏丸東入る)に、外市(といち)という和装卸業のビルがあります。近年建て替えて、東急ハンズが入っている、あの建物です。
 この外市も、幕末に与左衛門家から分家した外村市郎兵衛がルーツなのです。

 五個荘の近江商人も、やはり仕入れや販売で京都にお店を持つことが多かったのでしょう。
 お隣りの滋賀県には、京都と関連のあるものが多いですね。




 五個荘金堂の町並み(重要伝統的建造物群保存地区)

 所在  滋賀県東近江市金堂町
 見学  外村繁邸ほかは有料(大人・共通券600円ほか)
 交通  JR「能登川」下車、バス約10分



 【参考文献】
 「近江商人」(『国史大辞典』)


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