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船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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十日戎の日、聖護院の寒中托鉢修行に出会った

洛東




寒中托鉢修行


 十日戎の帰りに……

 1月10日といえば、関西では十日戎(とおかえびす)のお詣りがにぎわいます。
 大阪の今宮戎神社や堀川戎神社、福男選びで知られる西宮神社、そして京都では京都ゑびす神社や八坂神社の境内末社・北向蛭子社など。いずれも大勢の参詣者が訪れ、福笹を求める姿が見られます。

 京都ゑびす神社 十日戎(京都ゑびす神社)

 今日は、京都ゑびす神社に参拝してきました。参拝後、裏門から出て、帰り道、建仁寺の塔頭・禅居庵にもお詣りに行きました。
 摩利支天をお祀りするお寺ですね。

 禅居庵 禅居庵

 すると、なにやらホラ貝の音が……

 近付いてみると、大勢の山伏さんに遭遇しました。

 禅居庵

 一行は、隣接する建仁寺に入って行きます。
 私も、なんとなく、ついていくことにしました。

 建仁寺を通り抜け、北門外に出ると、東へ歩いて行きます。
 すると、どうしたことか、一軒の家の前で立ち止まりました。

 寒中托鉢修行

 お宅の方が出てくると、皆で般若心経を唱え始めました。

 そう、これは托鉢(たくはつ)だったのです。
 よく見ると、持っている幟(のぼり)に「聖護院 寒中托鉢修行」と書いてあります。


 聖護院の寒中托鉢

 托鉢とは、「修行中の僧尼が経文を誦しながら各戸の前に立ち、施与される食物を鉢に受けてまわること」(『日常佛教語』)。行乞(ぎょうこつ)とも、乞食(こつじき)ともいいます。
 京都では、禅寺の僧侶が「オォー」と低い声を出しながら、町々を歩く姿をよく見掛けます。そのため、托鉢というと禅宗のイメージがあるのですが、他にもあったわけです。

 この一行は、聖護院の山伏たち。
 聖護院(しょうごいん)といえば、左京区にある本山修験宗の総本山。つまり、修験道のお寺です(そのうちの本山派というものですね)。

 寒中托鉢修行

 聖護院では、毎年1月8日から14日まで、京都の町なかで托鉢を行います。これを寒中托鉢修行と呼び、その歴史は昭和11年(1936)にさかのぼります。
 京都新聞によると、今年は76名の僧侶が12班に分かれ、市内約3,500軒を托鉢して回るのだそうです(2016年1月9日付)。
 その一班に、私は遭遇したのでした。

 寒中托鉢修行

 一軒が済むと、また次へ向かいます。
 どうやら、うかがうべきお宅は、あらかじめリストアップされているようです。

 寒中托鉢修行

 今度は、米穀店で托鉢です。
 一行は10人ばかりで、女性もおられます。
 この方々は、建仁寺の東の安井や、東大路の東の下河原を回るようでした。


 お茶屋さんへも托鉢

 町なかを進む托鉢の一行。

 寒中托鉢修行

 しっとりとした高塀の家は、祇園甲部のお茶屋さんでした。

 寒中托鉢修行

 こちらでも托鉢。
 おかみさんが出て来られ、暖簾の奥からは舞妓さん?やお客さんがのぞいておられます。
 般若心経を唱え終えると、ホラ貝を吹き、一行は立ち去りました。

 おかみさんに少々話をうかがってみました。
 かなり以前から毎年托鉢に来られるそうですが、何日の何時頃に来ると事前に連絡があるのだそうです。今年は1月10日だったわけですが、例年はもう少し遅めだといいます。
 手に持たれていた紙片を拝見すると、それは御札と添え状(節分の大護摩供の案内付き)でした。

 寒中托鉢修行

 御札には、「火難消除 家内安全」「三宝大荒神守護」「総本山 聖護院」とあります。
 添え状には、三宝荒神は「かまど」の神様で火難除けに霊験あらたかなので、この御札を台所に貼ってくださいと書かれていました。
 なるほど、お経を唱えるだけでなく、こういう御札を渡していたのですね。

 私はここで一行とお別れし、八坂神社の北向蛭子社に向かったのでした。




 聖護院寒中托鉢修行

 所在  写真は、京都市東山区祇園町南側(托鉢は市内各所)
 拝観  自由
 交通  京阪電車「祇園四条」下車、徒歩約10分
 


 【参考文献】
 岩本 裕『日常佛教語』中公新書、1972年
 

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