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PROFILE

船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS朝日「京都ぶらり歴史探訪」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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数ある京都の国宝建築、どれがおススメか、独断的に考えてみると……(その1)

建築




東寺金堂


 数多くある国宝建造物

 京都南郊・八幡(やわた)市にある石清水(いわしみず)八幡宮の社殿が、国宝に指定されることが先月報道されていました。
 そんな中、ある団体の幹事さんの訪問を受けました。趣旨は、石清水八幡宮も国宝指定されることなので、それにあわせて京都の国宝建築を改めて見直す見学会ができないでしょうか、という相談でした。
 なるほど。こういう機会に国宝建築を通覧することも意義深いかも知れません。

 もちろん、京都の国宝建築といっても、とても数が多く、また一般公開されていないものもあり、なかなか見づらいものです。
 文化庁「国指定文化財等データベース」によると、京都府では約50棟の建物が国宝になっています。
 ほとんど京都市内にあるのですが、南部の宇治市、木津川市や、大山崎町、そして北部では綾部市にも1棟あります。


 京都府国宝建築のリスト

 今回、文化庁の国宝・重要文化財建造物のリストから、国宝だけを抜き出してみました。
 これだけでも労作? で、少し疲れ果てました(苦笑)

 そのリストです。カッコ内に寺社の通称名などを記し、京都市外のものには市町名を付記しました。1行で1棟(1基)になっています。

 賀茂別雷神社(上賀茂神社)本殿
 賀茂別雷神社(上賀茂神社)権殿
 賀茂御祖神社(下鴨神社)東本殿
 賀茂御祖神社(下鴨神社)西本殿
 大徳寺方丈及び玄関
 大徳寺唐門
 大仙院(大徳寺塔頭)本堂
 竜光院(大徳寺塔頭)書院

 北野天満宮本殿、石の間、拝殿及び楽の間
 大報恩寺(千本釈迦堂)本堂

 二条城二の丸御殿遠侍及び車寄
 二条城御殿式台
 二条城御殿大広間
 二条城御殿蘇鉄之間
 二条城御殿黒書院(小広間)
 二条城御殿白書院(御座の間)

 本願寺(西本願寺)阿弥陀堂
 本願寺(西本願寺)御影堂
 本願寺(西本願寺)黒書院
 本願寺(西本願寺)伝廊
 本願寺(西本願寺)書院(対面所及び白書院)
 本願寺(西本願寺)唐門
 本願寺(西本願寺)飛雲閣
 本願寺(西本願寺)北能舞台

 教王護国寺(東寺)金堂
 教王護国寺(東寺)五重塔
 教王護国寺(東寺)大師堂(西院御影堂)
 教王護国寺(東寺)蓮花門
 観智院(東寺子院)客殿

 慈照寺銀閣
 慈照寺東求堂
 知恩院三門
 知恩院本堂(御影堂)
 南禅寺方丈
 清水寺本堂
 豊国神社唐門
 妙法院庫裏
 蓮華王院本堂(三十三間堂)
 東福寺三門
 竜吟庵(東福寺塔頭)方丈

 醍醐寺金堂
 醍醐寺五重塔
 醍醐寺清滝宮拝殿
 醍醐寺薬師堂
 三宝院殿堂(醍醐寺、表書院)
 三宝院唐門(醍醐寺)
 法界寺阿弥陀堂

 広隆寺桂宮院本堂
 仁和寺金堂
 高山寺石水院(五所堂)

 平等院鳳凰堂中堂(宇治市)
 平等院鳳凰堂両翼廊(南)
 平等院鳳凰堂両翼廊(北)
 平等院鳳凰堂尾廊
 宇治上神社本殿(宇治市)
 宇治上神社拝殿
 海住山寺五重塔(木津川市)
 浄瑠璃寺三重塔(九体寺三重塔)(木津川市)
 浄瑠璃寺本堂(九体寺本堂)
 妙喜庵書院及び茶室(待庵)(大山崎町)

 光明寺二王門(綾部市)

 およそ、北から南へ並べました。
 1件しかない寺社も多いのですが、二条城、西本願寺、東寺、醍醐寺などには多くの国宝建築が集中しており瞠目します。


 好きなものを選ぶしかない

 これら国宝建築の中から、何を見るべきか?
 専門家でもなければ全てを訪ねることは難しいでしょう。おのずと、好みのものから見ていくことになります。

 私もこの機会に、改めて好きな建築を振り返ってみました。
 例えば、こちら。

 東福寺三門
  東福寺三門

 東福寺の三門です。
 京都には門の国宝は意外に多く8件もあり、門好きにはたまりません。私が好きなのは、大ぶりで大陸風な雰囲気のあるこの門と、小ぶりで瀟洒は大徳寺唐門でしょうか。
 この三門は、15世紀初頭の室町時代に建立されたもので、背の高さと左右のバランスが絶妙。楼上の内部も、架構がよく観察できて愉しいです。
 禅寺らしい素晴らしい三門。写真写りもいい “男前建築”!

 さらに、この門とともに、重要文化財の建築群が背後に控えています。六波羅門や仁王門も好きですが、素軽い屋根の月下門(月華門)は鎌倉時代の建築で、重文ですが “国宝級” ですね。

 続いては……

 東寺金堂
  東寺金堂

 教王護国寺(東寺)の金堂です。
 京都で、大仏様の建築を見るなら、これですね。奈良に行かなくても大丈夫(笑)

 東寺金堂

 東山にあった方広寺の大仏殿にならって造られたとされますから、本当に “大仏建築” です。慶長8年(1603)の築。豊臣秀頼の寄進。

 斜め横から見た屋根の拡がりが絶妙です。
 外から見ると二階建のように見えますが、そうではなく、内部は大仏様特有の高い空間が広がっています。そこに素晴らしい仏像が鎮座しているのですから、建築好きにも仏像好きにもたまらない空間です。

  東寺金堂 大仏様の組物

 そしてこちらもまた、背後に多数の国宝・重文建築群が控えています。

  東寺五重塔 東寺五重塔

 京都イメージの代表とも言える五重塔。
 ただ、これは江戸時代(1643年)の建築なので、フォルムが江戸っぽいですよね。つまり、見た目、屋根のボリュームが大きい。
 私は、清水寺本堂など江戸建築も好きで、特に中小寺院のものは大好きなのですが、この塔は少しリズム感に欠けるような気がします。

 むしろ、国宝の塔ならば……

  醍醐寺五重塔 醍醐寺五重塔

 こちらの方が好きですねぇ。
 これは古いんですよ。平安時代です。天暦5年(952)、京都市内で現存最古の建造物です。
 下層から上層への逓減率と言いましょうか、それが綺麗なんですね、この塔。
 よりクラシックな趣きです。

 今回つらつらと国宝建築を見て来ると、自分自身の趣味もよく分かってくるのですが、“その1” はリスト作成で消耗したので、つづきは “その2” で。


【この項、つづく】




 教王護国寺(東寺) 金堂

 所在  京都市南区九条町
 拝観  外観自由(柵外から) 内部は有料
 交通  近鉄電車「東寺」下車、徒歩約5分



 【参考文献】
 文化庁ウェブサイト「国指定文化財等データベース」
 京都府教育委員会『京都府文化財総合目録』京都文化財団、2006年


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コメント

貴重な古建築

石清水八幡宮へは、今年の石清水祭で、頓宮での奉幣の儀、放生行事、舞楽奉納を見ましたが、山上の本殿へは「過去に幾度か参拝しているし、今は神様が頓宮に入御されているのだから」と思い、頓宮と高良神社に参拝し、自転車で東高野街道を戻りました。

余談ですが、東高野街道は山根街道との分岐点から少し西側で消失し、本当の洞ヶ峠も道路工事で削られ、今は無くなりましたが、枚方市内の一部には東高野街道が残っています。

醍醐寺は京都の市街地から離れているので古い建物が残っているのかと思いサイト検索してみたら、戦乱で荒廃した時期があったことを知りました。

醍醐寺へは、一昨年の3月31日に随心院ではねず踊りを見た帰路に立ち寄りましたが、夕刻に近かったので拝観料が必要な境内へ入らず、外側の桜だけを見て帰りました。

船越様が作成されたリストや、自分が「あの寺院には国宝建築が無いのか?」と思い浮かんだ寺院などを幾つかサイト検索しましたが、 創建が古くても古い建築が残るのは容易でないことが判りました。

ご愛読ありがとうございます

やはり、古い建築はなかなか残りませんね。京都では、いちおう500年余り前、応仁の乱以前の建築だと古いなあ、ということになりそうです。
立派なものでも、江戸前期(17世紀)のものが多いですね。

もちろん、国宝や重文だけが貴重なのではなく、無指定の建物でも、美しいもの、信仰心のうかがえるもの、さまざまあります。そういった小品にも良さがありますね。

    船越
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