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船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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きょうの散歩 - 鴨川の西に近代建築を訪ねて - 2015.10.9 -





鴨沂会館


 出町柳から南へ、ぶらり

 今日は、京都で仕事。
 同僚のS君と一緒に、来月行う近代建築見学会の下見を行いました。

 集合は、京阪「出町柳」駅。
 ここから、鴨川を西へ渡り、南へ向かって近代建築を見て歩きます。

 S君は建築史が専門なので、事前に候補となる建物をリストアップしてくれています。
 実際には、それにプラスアルファする物件もありますし、省略するものも出てきます。

 予定では出町から南下し、河原町丸太町を西進して、御所の西側にある京都府庁あたりまで行くつもりでした。
 しかし、御所を横切る道程が長いので、それは中止し、河原町丸太町を南に歩いて、京都市役所(河原町御池)辺まで行くことになりました。

 岡田商会
  岡田商会
 
 スタート地点に程近い、出町の精肉店・岡田商会。
 特にリストアップされていない建物でしたが、見ていきます。
 
 「銀行だったかな」
 「大正時代でもおかしくないね」

 こんな感じで、観察したり写真を撮ったり。

 ずっと南下して……
 寺町通、現在改築中の鴨沂(おうき)高校の北側にある建物。

 鴨沂会館
  鴨沂会館

 昭和11年(1936)竣工。
 S君が、完成度が高いと絶賛した建物。
 3階部分の切り替えがアクセントとして効いていますね。とてもモダンな印象を与えます。


 村野藤吾の隠された建築も

 丸太町通に出て。
 河原町丸太町の交差点から東を望むと……

 スカイマンション
  河原町スカイマンション

 これまで、何度見たか分からない、このマンション。
 河原町スカイマンションと言い、なんと村野藤吾が設計したのだそうです。昭和50年(1975)の竣工。
 村野建築とは余り知られていないそうです。ファンとしては嬉しい限り。
 彼の作品だと聞くと、いきなりほめ始めたりする自分が恥ずかしいです(笑)

 出窓の形状などは、1960年代によくデザインした多角形の出窓を彷彿とさせますし、ベランダと窓とを段違いに開口する構成も美しいです。

  スカイマンション

 タテに長く、上方に飛び出す階段室。
 現地で見てみると、「スカイマンション」という名にふさわしい背の高い建築です。
 S君によると、村野の作品集には掲載されていないらしく、本人としては余り重視していない作品だったようです。でも、隠れた秀作だと思います。

 そこから、まっすぐ南下。
 銅駝(どうだ)美術工芸高校があります。

 銅駝美術工芸高校
  銅駝美術工芸高校

 かつてここには銅駝小学校があり、この建物も昭和初期、小学校時代に建てられたものです。
 京都の小学校の立派さは、どの学校を見ても感心させられます。
 銅駝の場合、小学校が高校に “昇格” した珍しいケースですね。

 実は、この辺から計画外のルートになっていました。
 ただ、銅駝美術工芸高校の北側には木戸孝允終焉の地があったりして、歴史を感じさせるところです。土手町通という通りです。


 最後は、天沼俊一の本能寺

 高校の南、以前はホテルフジタだったリッツカールトンの脇を抜けて、二条通に出てきました。

 島津創業記念資料館
  島津創業記念資料館

 二条木屋町角にある島津創業記念資料館。
 ノーベル賞の田中耕一さんを輩出した島津製作所の旧本社です。
 明治20年代、南北に2棟建てられました。
 細部の和風意匠が個性的で、近付いて見たい建物です。

 このあと、木屋町を南に進み、京都市役所へ。
 市役所の向いは、“敵は本能寺にあり” の本能寺です。

 本能寺
  本能寺

 もちろん、信長が討たれた時の本能寺はこの場所ではありませんでした。秀吉によって天正年間にこちらへ移ってきたのです。
 しかし、幕末、禁門の変の大火でも堂宇は焼け、その再建は昭和になってから。
 建築史学の泰斗・天沼俊一博士の設計で、昭和3年(1928)にこの本堂が出来たのです。

 本能寺本堂については、こちら! ⇒ <天沼俊一が設計した本能寺本堂は、登録文化財になった近代和風建築>

 本堂に上がってお詣りし、ご住職の御説教を聴いて、半日の仕事を終えました。
 約4時間の建築探訪。
 知っているつもりでも、やはり発見は多いもの。とても勉強になりました。




 河原町スカイマンション

 所在 京都市上京区駒之町
 見学 外観のみ
 交通 京阪電車「丸太町」下車、徒歩約3分


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コメント

No title

近代建築見学会、楽しそうですね~。
私も建築を通して街の魅力を多くの方に知ってほしいと、仲間とささやかに活動しています。秋は建築公開イベントが各地で開催される時期ですが、なんと言っても京都は建築の宝庫ですね。「船越ガイド×京都」あ~、なんて贅沢な見学会でしょう。

村野藤吾設計のスカイマンション、きっと、非常階段など注目されない場所にも村野テイストがキラリと光っているのでしょうね~。

いつもありがとうございます

スカイマンションは、東側(側面)もなかなか素敵です。
建物は、街の景観を形成する大きな要素なので、大事な存在ですね。その魅力を普及していくことで、景観を守ることにもつながります。各地で、建築や街を見る催しが増えてきて、とても心強いですね。
引き続き、ご愛読お願い申し上げます。

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