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船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS朝日「京都ぶらり歴史探訪」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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11月22日は、広隆寺で御火焚&聖徳太子忌日法要

洛西




広隆寺御火焚祭


 聖徳太子の忌日法要

 11月22日、太秦(うずまさ)の広隆寺では、御火焚祭が行われます。

広隆寺
 広隆寺仁王門

広隆寺御火焚祭

 写真にもあるように「聖徳太子御火焚祭」で、この日が太子の忌日であり、その法要もあわせて行われるということです。
 聖徳太子は、「上宮聖徳法王帝説」などでは推古30年(622)2月22日に亡くなったとされていて、異説としては「日本書紀」が推古29年2月5日としています。現在では前者がとられていて、月命日は22日。大阪の四天王寺などでは、毎月22日が縁日になっていますね。
 広隆寺では、11月22日に忌日法要が執り行われます。

広隆寺御火焚祭

 午後1時から、上宮王院太子殿(本堂)にて法要が執行され、引き続き1時半すぎから護摩供、つまり御火焚祭が行われます。

広隆寺御火焚祭
 上宮王院太子殿(本堂)

広隆寺御火焚祭

 僧侶らが本堂に入られます。
 堂内には、200人くらいは参拝者が座っており、まず般若心経が読誦されます。そのあと、大般若経の転読が行われます。大般若経は600巻ありますが、それを読み上げるのではなく、折本になっているお経をバラバラとめくる動作をすることで、読んだ代わりにします。これが「転読」です。
 ここで拝見した手順は、経机の上に帙(ちつ)に十巻程ずつ入った経典を取り出し、バンバンと大きな音を立てて机に叩き付けてから、経典の巻次などを唱えて、バラバラと転読する、というスタイル。なぜ、お経を叩くのかは、不勉強で分かりません。
 10人ですので、一人60巻ずつ転読するはずですが、あとでこそっと確認したら、40巻ずつでした…… ちょっと省略があったのかも知れませんが、不明です。

 およそ10分ほどで転読も済んで、僧侶らが出て行かれると、ご本尊の聖徳太子立像を拝ませていただきます(毎年11月22日のみの開帳)。太子自刻といわれる33歳のお姿です。確かに若く見え、旧一万円札でお馴染みの雰囲気とは全く違います。お顔もわりとはっきりしています。
 この像は、元永3年(1120)に造られたもので、立派な唐破風の付いた宮殿の中におられます。着衣は、歴代天皇が即位礼などで着した黄櫨染(こうろぜん)の袍(ほう=上衣)を賜るのだといいます。ということは、いま着ておられるのは今上天皇のものだということになりますね。
 小さく見えるのですが、ほぼ等身大ということなのでしょうか。
 
広隆寺

 ちなみに、このお堂は、上から見ると、下が正面の「凸」形になっています。後方の飛び出した部分に宮殿が設えられており、聖徳太子像が安置されています。
 上の写真では、右側が礼拝する空間、左側が像を安置する空間です。分かりづらいですが、右の部分は御所のような寝殿風で、左の部分は江戸時代によく見られる禅宗様の造り。まったく異なったスタイルの建物を一体にしてまとめています。享保15年(1730)の建築です。


 煙が上がる御火焚祭

 御火焚祭は、一転して勇壮ともいえる迫力でした。

広隆寺御火焚祭

広隆寺御火焚祭

 御火焚きは、旧暦11月に行われる祭事です。場所によっては、ふいご祭りとして鍛冶屋の信仰になっているものもありますね。
 京都では伏見稲荷をはじめ、各所で御火焚きが行われます。もともとは、冬至を迎える時期に太陽の力を回復する営み、いわば「一陽来復」の祭事でしょう。
 広隆寺は真言宗ですので、山伏が来られて護摩供を行います。山伏さんも、さすがに熱そうでした。

広隆寺御火焚祭

 ずいぶん昔、学生の頃でしたか、この寺を訪れて当時の清瀧智弘貫主にお話をうかがったことがありました。そのころ智弘さんは、「古都税」問題でいつもテレビなどで怒っておられたので、怖い方かと思ってドキドキして訪ねたのですが、お会いすると優しい方で、ほっとしたのを覚えています。
 そんなことを懐かしく思い出しました。


広隆寺




 広隆寺

 *所在 京都市右京区太秦蜂岡町
 *拝観 境内自由  霊宝殿は大人700円ほか
      ※本堂の聖徳太子像は毎年11月22日のみ開帳
 *交通 京福電鉄太秦広隆寺駅、下車すぐ



 【参考文献】
 林豊『聖徳太子ゆかりの寺を歩く』JTBパブリッシング、2007年
 


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