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船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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祇園祭の巡行を終えた山鉾は…… - 後祭を見る -





鯉山会所


 後祭は10基の山鉾で

 2015年の前祭は、台風11号の影響であいにくの雨中の巡行となりました。
 1週間後の後祭は、一転、晴天となって猛暑の中の実施です。

 朝、巡行の1時間前(8時半頃)、四条通から見物を始めました。
 四条新町まで行くと、すでに大船鉾は出発地点(烏丸御池)に向い始めています。私もそれを追って、新町通を北上。
 ところが、三条新町を越えたあたりでした……

  大船鉾

 なんと、鉾の吹流しが電柱に巻き付いたのです!
 西風が強かったのでしょうか。

 電柱には、トランスなどにすべて黄色いネットが掛けられて保護されているので安全ですが、ほどくのにかなり時間を要しました。

 しかし、無事に外せて出発。一安心。

  大船鉾 新町通の大船鉾


 御池通に集結!

 山鉾巡行は、もちろん巡行の最中も華やかで楽しいのですが、その前後(朝の準備中や終わった後)もおもしろいのです。
 大船鉾も、出発地点である御池通に出るまでに1時間以上かかりました。その間、狭い新町通を進み、また新町御池で辻回しをするなど、9時半の出発時刻までも楽しめます。

 大船鉾

 新町通から御池通に出てきた大船鉾。壮観です。
 そして、辻回し。

 大船鉾

 引っ張る方向に、ラグビーのラインの如く、曳手が並びます。
 だいたい3度くらいで90度回します。

 大船鉾

 最後のひと曳きは、鉾に対して鋭角にラインが出来ます。おもしろいですね。

 そして、御池通にすべての山鉾が集合すると、巡行が開始されます。

 大船鉾
  御池通の大船鉾


 御池通から河原町通へ

 近年、御池通には高層マンションも多く、現代都市の中に古式ゆかしい祭礼が組み込まれた印象です。

 南観音山
  御池通を進む南観音山

 御池通は歩道も広く、人出も多くないので、ゆっくりと見られます。特に、西の方は空いています。ビルや街路樹も多いので、南側の歩道は陰になって涼しく見物できます。
 東に行くほど人出は増えます。特に、寺町通あたりより東は大混雑。市役所前には有料観覧席があり、その関係でスピーカーによる解説が流されて少し……ですね。
 
 角を曲がると、河原町通です。
 
 橋弁慶山
  河原町通に入った巡行(先頭の橋弁慶山)

 ロイヤルパークホテル前に差し掛かった巡行。
 後祭は10基ですが、先頭はくじ取らずの橋弁慶山。ここで一旦ストップします。

 橋弁慶

 行列からお二人が進み出てきて、手には粽(ちまき)を持っています。

 橋弁慶山

 これを祇園甲部の舞妓さんに渡します。

 舞妓さん

 あでやかで微笑ましい風景。

 橋弁慶山

 お返しに、たぶん御神酒をもらって戻ります。

 各山鉾とも、これを行います。
 そのあと再出発です。
 それでも、100mほど進むと、河原町三条の交差点で一服。熱中症になるといけませんからね。

 役行者山
  河原町三条の役行者山


 壮観! 四条通の巡行

 先回りして、四条寺町あたりで待ち受けます。
 今年は、四条通の歩道が拡幅され、観覧者も大勢です。

 北観音山
  四条通に現れた北観音山

 南観音山
  藤井大丸(四条寺町)前の南観音山

 歩道の道路側に立つと、山鉾が実に大きく見えます。

 北観音山 北観音山

 山も個性があっていいですね。
 こちらは鯉山。左甚五郎作といわれる鯉が跳ねています。

 鯉山
  鯉山

 くじ取らずで殿(しんがり=最後尾)を務める大船鉾。四条寺町にやって来ました。

 大船鉾
  藤井大丸をバックにした大船鉾

 大船鉾
 
 迫力満点です。
 

 巡行を終えた山鉾は…

 四条高倉(大丸角)まで大船鉾の巡行を見た私は、そのあと巡行コースを離れて、鉾町へ向かいました。

 室町通蛸薬師の角。
 黒主山や鯉山が町内に戻ってきました。いささか暑そうですね。

  鯉山 鯉山

 当然のことですが、巡行を終えた山鉾は、四条通をはずれ、室町通や新町通を通って各町内へ戻ります。

 鯉山

 町内の皆さんも、拍手で出向えです。皆さん嬉しそうですね。

 鯉山の会所は、室町通蛸薬師を上がったところにあります。

 鯉山会所
  鯉山の会所

 ところが、山は会所の前を素通りして、北の方に行ってしまいました……

 なぜ?

 鯉山

 近所の会社の社員さんも拍手で出迎えですが、いったいどこまで?

 1本北の六角通まで行きました。

 鯉山

 そこで、なんと一回転して、こちらへ戻ってきたのです!

  鯉山 会所に戻る鯉山

 沿道の人(たぶん町内の方)によると、六角通までが鯉山町の町内なのだそうです。つまり、町の端まで行ってから会所に帰着するというわけです。

 なるほど。

 鯉山町は、室町通を挟む両側町です。通りのお向いさんが同じ町内なのが京都です。
 北端は六角通、南端は蛸薬師通になります。

 さほど広くはない町内ですが、きっちり端まで行ってから終了するところに、山鉾巡行が町によって支えられていることがよく表れています。

 鯉山
  会所前に戻った鯉山

 会所に帰ってきた鯉山の前で、皆さん手打ちをして無事終了です。
 暖かい光景ですね。

 華やかな巡行の前後にも、祇園祭を理解するさまざまな風景が見られます。
 こういったところも、祭りをみる愉しさですね。

 
  芦刈山の少年 




 祇園祭 後祭 鯉山会所

 所在 京都市中京区室町通蛸薬師上ル鯉山町
 拝観 会所内は祇園祭宵山の期間中
 交通 地下鉄「四条」下車、徒歩約10分


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コメント

祇園祭は地域の誇りなのですね

お陰様で祇園祭を堪能させて頂きました。
余談ですが、昨夜(7/27)放送のNHKサラメシで、祇園祭の長刀鉾のお世話をされている棟梁が取り上げられていました。
こちら⇒http://www.nhk.or.jp/salameshi/archives/a150727.html
棟梁は「お世話している」のではなく「させて頂いている」とおっしゃり、大変な重圧と責任を担っているけれど「誇り」であるとも。そのお顔は輝いて見えました。
以前、稚児が無事大役を果たした瞬間その健気さに感動し涙が溢れましたが、船越様のレポートを拝見し、大きな歴史の重みと京都の方々の誇りや美意識を改めて感じました。
あ~、京都って素晴らしい。ブラボーです。

祇園祭、暑かったです

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

サラメシ、残念ながら見逃してしまいましたが、木曜日に再放送があるようなので、そちらで見ようと思っています。

祇園祭のように、何百年もつづく祭に携わっておられる方は、その重責たるや推し量る由もありません。みなさんご苦労だと思いますが、それでも楽しそうにやっておられ、まさに誇りを持っておられるということでしょう。
関西のテレビニュースでは、現在休み山となっている鷹山が、復活に向けて保存会を立ち上げられたという話題を取り上げていました。しかし、復興には(たしか)2億円くらい掛かるそうで、たいへんなことだと思います。

また、来年を楽しみに待ちたいと思います。

    船越幹央


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