03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
MENU

NEW ARRIVAL

PROFILE

船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

ARCHIVE

【大学の窓】京都南郊で史跡見学を行いました

大学の窓




観音寺


 京田辺市・観音寺を拝観

 非常勤で出講している上京大学(仮称)の日本史専攻では、年に2回、史跡の現地見学会を行っています。

 歴史を学ぶ上で、文献史料をじっくり読むことはもちろん重要ですが、“歴史の舞台”となった現地を訪れることは同じくらい大切です。
 このブログの趣旨も、実はそこにあるのですが、寺社や史跡を自分の眼で見て、よく観察し、考えることが重要です。

 上京大学(仮称)の1回生は、春に京田辺市の観音寺とその周辺を訪れ、秋には京都市内の史跡(毎年変わる)を巡ります。
 各1日で、物足りない気もするのですが、休日に実施するため、全員で集まるのはこれが限度でしょうか。
 今回も、50数名の学生が出席してくれました。

 観音寺
  観音寺(京田辺市)

 観音寺は、古くは普賢寺と呼ばれた古刹で、ご本尊の十一面観音立像(奈良時代)は、国宝に指定されています。大御堂とも称され、京都南郊にある隠れた名刹です。
 毎年、ご住職のご理解をたまわり、ご本尊を拝して、仏教彫刻を専門とする教員が学生にレクチャーします。
 境内には、丘上に塔の礎石なども残り、その説明もあります。


 「慰霊塔」を見る

 私が、いつも学生と一緒に見るのが、こちらです。

  観音寺の慰霊塔 観音寺の慰霊塔

 「慰霊塔」と刻まれた、背の高い石塔。
 実は、少し不思議な点があるものなのです。

 まず、正面から。 
 何と書かれているかから始まり、石塔を見て感じる特徴などを学生に質問していきます。
 塔の前に“砲弾形”の石が写っていますが、これは壇上に廻らされた柵です。この石柵には、かつて鎖が付けられていたようなのですが、今ではありません。そのあたりのことも考えます。

 そして、側面を見て、そこに刻まれた15字ほどの文字を読みます。
 文字は高い場所にあるのでよく見えないのですが、何を書いたものか推理します。
 
 さらに、裏側に回ります。

  観音寺の慰霊塔 裏面

 裏には、「忠魂碑」という文字が書かれています。
 この文字の部分をよく観察していきます。

  観音寺の慰霊塔

 こんなふうですが、少し不自然さを感じないでしょうか?

 これが学生には意外に難しい質問のようです。
 
 こういった Q&A を繰り返しながら、なぜ両面に文字が書かれているのかなど、考察を続けます。
 最後に、かつてご住職(年配だったお父さま)にうかがった、この碑の来歴譚を紹介してまとめとします。

 この脇にある、もうひとつの石碑も含めて、約20分間、石造物について皆で考えていく授業です。
 日露戦争は何年に起こった? と聞かれて、「1904年」と答える学生に、「明治で言うと何年?」と問い直す意地悪な Q&A も含めて(もちろん意味あっての問い掛けですが)、いろいろと考えてもらいます。

 私としては、こういう授業をいつもできたら楽しいのですが、カリキュラムの都合もあるので、これを一例として自分自身で現地見学してほしいと思っています。

 また来週からは、教室に戻ってグループ研究の再開です。




 観音寺

 所在 京田辺市普賢寺下大門
 拝観 400円
 交通 近鉄・JR「三山木」下車、徒歩約30分


スポンサーサイト

コメント

非公開コメント