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PROFILE

船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

ARCHIVE

きょうの散歩 - 岡崎・みやこメッセの古本市に行ってきた - 2015.5.3 -

京都本




京をんな


 古書を求めて

 大型連休に、毎年開催される“古本まつり”(春の古書大即売会)。
 京都古書研究会が主催される催しで、会場はみやこメッセ(京都市勧業館)です。

 同会主催では、春(GW、みやこメッセ)、夏(お盆、下鴨神社)、秋(文化の日頃、百万遍・知恩寺)と、年3回の大きな古本市が開かれます。出店数も多く、ジャンルもさまざまで、品定めにも時間が掛かります。

 私の場合、
 (1)いま仕事や研究に必要な本
 (2)以前から関心を持っている分野・著者の本
 を中心に買っています。
 コレクションするという趣味はないので、実用一点張りです。

 今日は、(1)の比重が高くなりました。
 いま、上方の歌舞伎俳優の日記を読んでいて、その参考になりそうな本がおのずと目に留まりました。
 例えば、中村鴈治郎『役者馬鹿』。二代鴈治郎の自叙伝ですが、初代の時代のことも出てきます。こんなふうな歌舞伎や喜劇の本を何冊か求めました。

 読んでいる日記には、食事のことも出てきて、お客さんが来ると、よくウナギを食べるのですね。そこで手に取った本が、これ!

  鰻通 『鰻通』

 その名もズバリ、『鰻通(うなぎつう)』。
 入江幹蔵著、昭和5年(1930)、四六書院刊。

 この出版社は、“通叢書(つうそうしょ)”というシリーズを出していて、『道頓堀通』とか『上方色街通』とか、いろいろな本があるのですが、この『鰻通』もその一冊。
 ウナギの生態、料理から、詠まれた俳句や伝説まで、ウナギの雑学事典の様相を呈しています。

 著者についてはよく知りませんが、たぶん東京の人のよう。巻末に、東京蒲焼屋案内! というのが付いています。
 ちなみに、京都では、江戸焼(東京風)に梅の井(縄手)と神田川があり、みの吉(縄手)、みの庄(御所前)も鰻をやると記されています。大谷(京都から三条通を大津へ向かう途中)にある「かねよ」も紹介されています。

 通叢書は当たり外れがあるように思いますが、『鰻通』はまずまずしっかりしています。


 京野菜の本

 先日、京野菜スープを食べたので、こんな本を買ってみました。

  京洛野菜風土記 『京洛野菜風土記』

 植木敏弌(としいち)『京洛野菜風土記』。私家版で、昭和47年(1972)に刊行されています。
 著者は、長年、京都市農会などに勤務された農業の技術指導者ということです。そのため、栽培法についても詳しく書かれています。
 この本には、半世紀ほど前に京都で栽培されていた野菜が網羅されています。

 大根だけでも、聖護院蘿蔔(だいこん)、桃山蘿蔔、松ヶ崎の茎蘿蔔、辛味蘿蔔、郡(こおり)蘿蔔、青味蘿蔔と、6種あげられています。
 また、ナスでは、山科茄子、吉田の捥(も)ぎ茄子、西院の黒茄子、鴨茄子があがっています。

 品種の区分も細かくて、例えば聖護院蕪菁(かぶら)は、早生系と晩生系に分かれるのだそうです。九条葱(ねぎ)には、浅黄種と黒種があるといいます。
 また、聖護院といえば、ダイコンかカブラとばかり思っていましたが、聖護院胡瓜(きゅうり)というものもあるのだそうです。
 結構マニアックな本と見ました(笑)
 

 美しい装丁に魅かれて

 世に“ジャケ買い”というものがありますが、本の場合も装丁に魅かれて求めてしまう場合があります。

  京をんな 『京をんな』

 田中左川『京をんな』。昭和10年(1935)、立命館出版部刊。
 発行して、すぐに5版になっているので、とても売れたのでしょう。みんなジャケ買い? という気も……

  京をんな

 京都の日本画家・富田渓仙による装丁画。
 ふたりの女性、右は黒木に腰掛ける大原女でしょうか。左は、鞍掛け(踏み台)に座って長キセルを吸う畑の姥(おば)でしょう。
 俳画のような軽みのある、いい絵ですね。

 本書は、小野小町、紫式部から、常盤御前、静御前、そして太田垣蓮月や幾松まで、30人近い歴史上の“京おんな”を取り上げています。
 その最後あたりに「近郷の女」として、「花売乙女」「小原女」「畑の姨(おば)」についてふれています。小原女は、もちろん大原女のことです。

 近在の村々から、炭や薪、黒木や花などを売りに来る女性のことは前から興味があって、ここにも書いたことがあります。
 記事は、こちら! → <戦前は“大原女”が大ブーム?!> <“畑の姥”の驚異的頭上運搬術!>

 この本を読んで、いずれその内容を紹介してみたいと思います。
 装丁に魅かれて買うというのも、古本を見る愉しみのひとつですね。


  古本市



 みやこメッセ(京都市勧業館)

 所在 京都市左京区岡崎成勝寺町
 交通 地下鉄「東山」下車、徒歩約10分


【お知らせ】
 5月13日(水)、BS-TBS「高島礼子・日本の古都~その絶景に歴史あり」に出演します。午後10時~10時54分のオンエアです。
 女優の高島礼子さんと鞍馬寺を訪れます。よろしければ、ご覧ください。


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