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船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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東本願寺の文鎮は、陶製でキュートな仕上がり - 私の文鎮収集 -





東本願寺文鎮


 趣味の文鎮収集

 みなさんは、神社やお寺を訪ねた際、おみやげに何を求めますか?
 神社は、お守りやおみくじが主流ですが、お寺はグッズ販売コーナーが充実してきて、目移りすることが多いですね。

 そんな中、私が好んで買う品物があります。
 それが、文鎮!

 たぶん珍しいと思います、文鎮を集めている人。
 特に書道をやるわけでもないのですが、もう四半世紀前から、折にふれては文鎮を買っています。
 最近、京都の寺社でも面白い文鎮が増えてきたので、追々紹介していこうと思う次第です。

 伊勢神宮文鎮
   最初の頃に買った伊勢神宮文鎮
   造営の残材で作られている


 東本願寺で文鎮を発見!

 寺社の文鎮には、大きく分けて2つの“流派”があります。
 ひとつは、実用に徹したもの。もうひとつは、デザインの面白さを追求したもの。最近は、後者が増えています。

 今回取りあげるのは、東本願寺。
 下の写真は、<総合案内所 兼 お買い物広場>で、たぶん昔の茶所を改装した建物です。スペースも広いので、絵本、書籍から御香、珠数まで数々のグッズが販売されています。

 東本願寺総合案内所・お買い物広場
  東本願寺 総合案内所 兼 お買い物広場

 トートバッグとかTシャツとか、なかなかのデザインで欲しかったりするのですが、ちょっと宗教的な色彩も強いので、二の足を踏んでしまいます。
 ところが、先日、ここで文鎮を売っているのを発見したのです!

 東本願寺文鎮
  東本願寺 文鎮

 白い箱に入っていて、「真宗本廟[註:東本願寺のこと]参拝記念/御影堂屋根瓦葺土入 文鎮」と書かれています。
 絵は、御影堂です。

 東本願寺の御影堂(ごえいどう)は、明治28年(1895)に再建されたものですが、東大寺大仏殿などと並ぶ大規模な木造建築で、2004年から2008年にかけて修復がなされました。

 東本願寺御影堂
  東本願寺御影堂

 この建物は、畳敷きで言うと、927畳! もあるのですが、屋根も巨大です。瓦が、17万5,000枚もあるのです。
 寺院などの伝統的な瓦葺きは、屋根に土を置いた上に瓦を並べていきます。瓦の重量に加え、葺(ふ)き土の重さもプラスされるため、建物には莫大な負荷が掛かります。
 今回の修理では、それを軽減するために、葺き土を使わない空葺き工法が採用されました。ステンレス釘や銅線で留める方法になったのです。

 不要になった葺き土は、約1,000トン。その一部は、地震時のねじれを抑制する土壁としても再利用されたそうです。
 
 長々と説明してきましたが、箱に書かれた「屋根瓦葺土入」というのは、この土が混ぜられているというわけですね。


 なんの変哲もないデザインに見えるけれど……

 東本願寺文鎮

 白い焼き物の文鎮です。
 真ん丸ではなく、表面にも凹凸があり、色も純白ではない、味わいのある逸品です。
 直径は9cmあるので、かなりボリュームがあります。

 東本願寺文鎮
  「東本願寺」の刻銘がある

 制作は、長谷川治氏。
 底面には、グリーンのフェルトが貼ってあります。

 東本願寺文鎮

 こう見ると、なんの変哲もないデザインに感じられます。
 けれども、鈕(ちゅう)-印章などのつまみの部分-は、あっと驚く意匠になっています。

 東本願寺文鎮

 御影堂の形になっています!

 鈕は、獅子の形とか、あるいは有名な金印(福岡・志賀島で発見された)では蛇になっていますね。他にも亀や羊など、印では多くの場合、動物の形です。
 ところが、この文鎮は建物です。意外なデザインですけれど、御影堂の修復記念と、すぐに分かります。

 お寺の文鎮は、その特徴を端的に表すものが多いのですが、お堂そのものを意匠化した文鎮は珍しいのでは?

 あたたか味のある陶製文鎮を紹介しました。

 


 東本願寺

 所在 京都市下京区烏丸通七条上る
 拝観 自由
 交通 JR「京都」下車、徒歩約5分



 【参考文献】
 『御影堂御修復のあゆみ』真宗大谷派(東本願寺)、2012年


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