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船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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京野菜スープを食べてみた! - 海老芋のポタージュ仕立てが濃厚な味わい -

その他




京野菜スープ


 近郊で栽培された「京野菜」

 大都市の近郊では、江戸時代にもなると、いわゆる蔬菜(そさい)栽培が盛んになります。京、大坂、江戸、どこでも同じですが、都市の人々の食を支えるため、近郊農村で野菜を育て、都市に売りさばいたのです。

 「花洛名勝図会」より聖護院大根
  聖護院大根の栽培(「花洛名勝図会」巻4)

 幕末に刊行された「花洛名勝図会」(1864年)に描かれた聖護院大根(しょうごいんだいこん)の栽培風景。
 聖護院(左京区)といえば、大根や蕪(かぶ、かぶら)の名産地でした。

  聖護院大根 聖護院大根

 「花洛名勝図会」には「太蘿蔔」、“ふとだいこん”と記されています。蘿蔔(らふく)は、大根の漢語ですね。
 確かに、絵を見ると、太い大根です。

 現在では、さらに太くというべきか、丸に近い特異な形になっています。
 上の写真は、千本釈迦堂の「大根だき」の際に撮影したものです。これは淀(伏見区)で栽培されたものなのですが、名称は聖護院大根。つまり、ブランド名なのですね。
 煮崩れしないので、煮物に好適です。

 これは一例ですが、京都の周辺ではいろいろな野菜が栽培されてきました。いわゆる「京野菜」ですね。
 産地名が冠されたもので言えば、「賀茂(かも)なす」「壬生菜(みぶな)」「九条ねぎ」「鹿ケ谷(ししがたに)かぼちゃ」「堀川ごぼう」「聖護院かぶら」などなど。これらは、江戸時代から栽培されていたといわれるものです。


 京都では、スーパーで“京野菜スープ”を売っている

 下の写真は、京都の北郊・上賀茂(北区)です。いまでも、住宅の間に野菜を栽培する畑が拡がっています。

 上賀茂の畑
  上賀茂の野菜栽培 ハウス栽培も多い

 今日(4月下旬)、畑を見ると、ねぎ、さやえんどう、いちごなどが栽培されているようでした。時期によっては、なすなども目立ちますね。

 戦前の書物にも、野菜を行商する女性が多いことが紹介されています。

  『日本地理大系』より「賀茂の女」 「賀茂の女」(『日本地理大系 7 』)

 カゴに南京(かぼちゃ)を入れていますね。行商は、最近ではほとんどなくなったと思いますが、戦後もずっと行商で野菜を売っていました。

 ということで、前置きが長くなったのですが、今回紹介するのは、このような京野菜を使ったスープです。

 京野菜スープ
  食べる京野菜スープシリーズ

 スーパーで売っているのを見付けて、「海老芋(えびいも)」と「聖護院大根」を買ってみました。
 売り場では、他にも、京竹の子、聖護院かぶらを売っていました。調べてみると、賀茂茄子や京甘藷もあります。
 
 パッケージには、「京都の八百屋さんと野菜ソムリエが共同開発」と書かれています。
 京野菜販売協同組合の販売するレトルトスープで、お値段は540円(税込)。

 では、さっそく食べてみましょう!


 海老芋のポタージュスープを食べてみた

 今回食べるのは、海老芋(えびいも)を使ったポタージュ仕立てのスープ。

  京野菜スープ 京野菜スープ・海老芋

 レトルトなので、熱湯で5分ほど温めると出来上がり。

 京野菜スープ

 おいしそうなポタージュスープですね!

 京野菜スープ

 海老芋がサイコロ状にカットされていて、ごろっという感じで入っています。

 京野菜スープ

 スープは、ふつうのポタージュよりも濃厚な味わい。
 海老芋は、里芋の一種ですが、じゃがいもよりもサクッと感があるようで、濃いスープにマッチしています。
 にんじんとたまねぎも入っていて、とても美味です。

 パンにつけて食べてもおいしく、朝食や昼食の友になりそうですね!
 
 スープとしては、まあまあ高価な品だと思うのですが、味は太鼓判。おすすめです。

 野菜によって、中華風スープやクリームスープと、異なる味覚が楽しめます。

 最後に、パッケージにある海老芋の説明を引用しておきましょう。

 江戸安永年間、東山青蓮院の門跡が、九州の巡業から持ち帰り農民に栽培させたところ、海老のように縞模様のある反り返った良質の芋が出来たのが始まり。京の冬の伝統野菜のひとつで、ねっとりとした食感ときめの細さが、料理に高級感と上品さをもたらします。


  上賀茂の畑




 食べる京野菜スープシリーズ

 販売者 京野菜販売協同組合
 購 入 スーパーなどで。ネット販売もあり
 価 格 540円(税込)



 【参考文献】
 「花洛名勝図会」1864年
 『日本地理大系 7 』改造社、1929年
 鎌田道隆『京 花の田舎』柳原書店、1977年


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