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船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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比叡山・横川の元三大師堂では、4種のお札がいただける有り難さ

人物




元三大師堂


 比叡山・横川には、元三大師が祀られている

 以前、比叡山延暦寺の高僧・慈恵大師(良源)について取り上げ、そのお札について紹介しました。 ⇒ 記事は、こちら! <元三大師の象徴“角大師”は、いったい何の姿?>

 大師は、正月三日に亡くなったことから、「元三大師(がんざんだいし)」とも呼ばれ、この呼称で多くの人たちに信心されています。

 今回、比叡山に上る機会があったので、大師がお祀りされている横川(よかわ)の元三大師堂(四季講堂)を訪ねました。


 横川へはシャトルバスで

 比叡山には、京都、滋賀、どちらからでも上れます。
 今回は、京都・八瀬(やせ)から上るコースで行きました。大阪や京都市内からは、京阪電鉄が発売している「比叡山1dayチケット」がお得で便利です(発売期間にご注意ください)。

 出町柳駅から、叡山電車の「八瀬比叡山口」行きに乗車し、終点・八瀬比叡山口駅で降ります。ここから、ケーブル、ロープウェイと乗り継ぎます。山上では、京阪バスのシャトルバスが頻発しており、東塔、西塔、横川を結んでいます。

 京阪バス・シャトルバス シャトルバス

 ロープウェイを降りて、5分ほど歩くとバス乗り場。そこから約20分で横川へ着きます。

 比叡山横川 横川

 横川(よかわ)は、比叡山内でも最も北のエリアで、横川中堂や元三大師堂があります。かつて元三大師の住坊があったところです。

 拝観券を求めて進んでいくと、石灯籠にも「元三大師」の文字が刻まれています。

  比叡山横川

 こういった字句を目にすると、ゆかしい心持ちというか、早く大師堂にお参りしたという気分が募ります。
 その足元には、古い道しるべも。

  比叡山横川

 「元三大師道 三丁目/大坂 林成[  ]」とあって、下の部分は埋もれています。
 どこから3丁(約330m)というのか、ここからまだ 5丁位はあるでしょうか。

 先に横川中堂をお参りしてから、大師堂へ向かいます。


 角大師に出会う元三大師堂

 元三大師堂

 元三大師堂にやって来ました。久しぶりです。
 右を見ると、こんな石標も!
 
  元三大師堂 「元三大師と角大師の由来」

 入る前から角大師(つのだいし)と対面とは、意外な展開。前の記事でお分かりのように、この図柄がお札の絵そのままなのですね。

 元三大師堂
  横川・元三大師堂

 靴を脱いでお参りすると、外陣は狭いのですが、参拝者は意外にたくさん来られています。
 尼さんがひとりおられたのですが、参拝のご婦人が熱心に感謝の意を述べておられ、篤く信心されている方と見受けられます。
 今日ここに来たのは、改めて元三大師にお参りするとともに、お札を求めるためでした。
 迂闊にも下調べしていかなかったのですが、なんと4種類ものお札が置いてあり、驚かされました。

 まず、もっとも著名な「角大師(つのだいし)」のお札です。

  元三大師堂護符 角大師
 
 下に「比叡山横河」とあって、2本の角が目立つ御像です。
 現代的に見ると、なんだかユーモラスで人気ですね。

 次に頂戴したものが、これです。

  元三大師堂護符 降魔大師

 「降魔(ごうま)大師」のお札。「出楞厳定 悪魔降伏」と書かれています。
 鬼のようなので、俗に「鬼大師」とも呼ばれるものです。
 前回の記事では、大阪・四天王寺の元三大師堂に同様のお札があることを紹介しました。ふたつの御像をよく見比べましたが、すべてにおいて全く同じ図像でした。
 ただ、名称については、四天王寺は「鬼大師護符」と呼んでおられるようです。


 ついに“豆大師”に出会う!

 そして、3種類目。

  元三大師堂護符 魔滅大師

 「魔滅大師」のお札です。「魔滅」と書いて「まめ」と読ませますが、もちろん「豆」に通じます。いわゆる「豆大師」ですね。

 豆粒のように小さな元三大師が、33人おられる図柄です。大師は観音菩薩の化身とも言われたので、33に変化する観音にちなんで33人です。

 豆大師の由来には、諸説あります。
 よく聞くのが、元三大師美男子説。大師は余りの美男子であったので、宮中に参内したとき、女官に騒がれて困りました。それで豆粒のように小さくなり、こっそり訪れた--というもの。
 また、山田恵諦『元三大師』に出ている話。河内・寝屋川(大阪府)で大師を信仰する男性が、大雨の際に田の無事を祈ると、33人の童子が現れて田の水を汲み出すなどして救ってくれた-ーというものです。

 元三大師堂護符

 拡大すると、よく分かりますが、頭から右方へ1本飛び出していますよね。これ、眉毛なのです。
 元三大師は、眉毛が長かったと言われていて、そのように描かれている肖像画もあります。

 そこで、4つめのお札です。

  元三大師堂護符 元三大師

 御簾のうちに坐しておられる元三大師。リアルなお姿です。

 元三大師堂護符

 厳しい表情ですけれど、眉毛が長いのが分かるでしょう。
 これを見てからもう一度、豆大師を見ると……

  元三大師堂護符 魔滅大師

 四角い壇に右を向いて坐し、衣にはひだ(しわ)がたくさん入っており、手に珠数(小さい点々)を持っている。そして、眉毛が長い--リアルな御像の特徴を的確に捉えています。

 というわけで、4種のお札を授与していただきました。
 前回もお話したように、角大師は降魔大師(鬼大師)がデフォルメされた図像でしょう。
 一方、魔滅大師(豆大師)は、1人ずつが小さいため、リアルな元三大師像を大胆に簡略化したものだと分かります。
 つまり、図像的には、2系列に分かれていると考えられます。
 
 ついに豆大師のお札をいただけて、たいへんうれしかったのですが、あとで元三大師堂のウェブサイトを見ると、なんと通販していたのです!
 角大師、降魔大師、魔滅大師は、各600円(送料込み)で受け付けておられます。
 ただし、元三大師像のお札は除かれているようです。
 ちなみに、お堂では各500円で授与していただきました。




 元三大師堂(比叡山横川)

 所在 滋賀県大津市坂本本町
 拝観 大人700円(東塔、西塔、横川共通)ほか
 交通 比叡山内シャトルバス「横川」下車、徒歩約10分



 【参考文献】
 山田恵諦『元三大師』第一書房、1959年


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ありがとうございます

ブログお読みいただき、ありがとうございます。
これからも記事の充実に勤めますので、ご愛読よろしくお願いします。
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