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船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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【新聞から】近代建築の旧北國銀行 京都支店が、期間限定で DEAN & DELUCA になる





旧北國銀行


 米高級食料品店、飲食店で京都に進出
 ディーン&デルーカ
 京都 2014年10月10日付



 このニュースは、ちょっと注目です。

 注目の理由をお話する前に、「ディーン&デルーカ」の説明を。

 たぶんみなさんが一番ご存知なのは、このロゴが入った布製のトートバッグでしょうか。
 若い女性がよく持っておられるもので、5、6年前にものすごく流行りましたね。
 当時、その小さな手提げ袋? のようなトートを持っている女性に、なに? って聞いてみたら、DEAN & DELUCA だと教えてくれたんですが、そのあと大変なブームになりました。さすがに最近では、あまり見かけませんが。

 その DEAN & DELUCA が高級食材店(ウェブサイトには“食のセレクトショップ”などと書いています)で、カフェなども経営しているとは、今回まで知りませんでした。
 本社はニューヨークだそうで、いわゆるセレブ御用達の店らしい。

 言い訳をすると、関西には神戸大丸にしかなくて、その後、グランフロント大阪に出店しただけなので、あまり目にする機会がなかったようです。

 京都新聞の記事は、その DEAN & DELUCA が京都に初進出というもので、2014年10月27日から、翌年8月までの期間限定で、レストラン、カフェを出店するのだそうです。

 その場所が、烏丸通蛸薬師の南西角にある旧北國銀行京都支店の建物。

 旧北國銀行
  旧北國銀行 京都支店

 この建物に入るというのが、私の注目ポイントです。

 記事をよく読むと、「北國銀行旧京都支店を改装した商業施設の1階部分約300平方メートルに開業する」とあります。 
 ざっと計算すると、1フロアは300㎡くらいありそうですから、1階はすべて DEAN & DELUCA なのでしょう。
 そして、もしかすると2階部分には別の店舗も入るのかも知れず、そうなると、ちょっとした「商業施設」になって、恒久的に利用されるということになります。
 最近、三条通などでは、近代建築が商業ビルとして活用されているものが増えていますが、これもその流れかも。

 実は、ここは以前も、レストラン、カフェとして使われていました。

  旧北國銀行 2009年11月撮影

 2009年時点では、上の写真のように確かに店舗が入っていましたが、ここ2、3年は空き家になっていたような……
 それで、当然のこととして、私達は“もしかして……”と良からぬ想像をめぐらしていたのです。

 そういう意味で、今回このビルが再活用されるのは、うれしい限りなのです!

  旧北國銀行

 この建物は、大正5年(1916)、辰野片岡建築事務所により設計、建築されました。
 当初は、山口銀行京都支店として建てられたものです。この山口銀行は、山口県の山口ではなく、滴翠美術館で知られる大阪の山口吉郎兵衛が設立した銀行です。昭和8年(1933)に合併して三和銀行になりました。

 旧北國銀行

 辰野片岡建築事務所は、東京駅の設計者として知られる建築界の重鎮・辰野金吾が、女婿の片岡安と関西に開いた事務所です。
 そのため、いわゆる「辰野式」のデザインで、1階部分には特徴的な3本の白いラインが通っています。
 また、右隅の屋上には、塔屋が突き出しています。

 旧北國銀行

 細部の意匠は、大正時代ですので、かなり幾何学的になっていて、こういった菱形の連続も心地よいですね。
 いま改めて見ると、現代的な感覚にマッチして、人気が出そうな建物です。つくづく、日本人はゼツェッション(分離派)の幾何学的デザインが好きだなあと思います。

 どんなふうに再生されるか、楽しみですね。

  旧北國銀行




 旧北國銀行京都支店

 所在 京都市中京区烏丸通蛸薬師下ル手洗水町
 見学 外観自由
 交通 地下鉄「四条」下車、徒歩約10分



 【参考文献】
 『新版日本近代建築総覧』技報堂出版、1980年
 前久夫ほか編『京都の赤レンガ』京都新聞社、1997年


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