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船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS朝日「京都ぶらり歴史探訪」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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ささやかな自分へのクリスマス・プレゼントは ……  -「都林泉名勝図会」-

京都本




 師走、年の瀬、クリスマス。なにか自分にプレゼントしてもよいかなという気分で、少し買い物をしてみました。

  都林泉名勝図会

 「都林泉名勝図会」5巻6冊。江戸時代の版本です。
 寛政11年(1799)に出版されました。文は、「都名所図会」の秋里籬島(あきさと りとう)が書いています。

 挿図が豊富で、例えばこんな感じですね。

 都林泉名勝図会
  龍安寺の石庭(部分)

 有名な龍安寺の石庭。
 なによりも、人が庭に下りている! というところにギョっとしますね(笑)

 都林泉名勝図会
  天龍寺の庭(部分)
 
 タイトルにある「林泉」とは、文字通り、林と泉のことですが、それを持つ広い庭も意味します。
 ですから、本書は“京都名庭図鑑”というわけで、誰もが知っている著名な庭から、現代では失われてしまった庭まで、細かい図入りで紹介しているのです。図は150以上あるそうで、佐久間草偃、西村中和、奥文鳴の3人が絵を担当しています。
 
 届いた「都林泉名勝図会」をパラパラとめくっていると、やはり気付かされることがあります。

 <庭だけの本として見るのは、もったいない>。

 実は、本書には、庭以外のさまざまな情報も詰まっています。
 例えば、寺院の什宝。今でいう文化財ですね。それを「虫干し」の際に書き上げてきたというスタイルで紹介しています。これは、特に庭とは関係ないはずなのですが、結構詳しいんですね。
 また、年中行事や儀式。十日戎や伏見稲荷の初午詣、祇園祭の神輿洗いなど、有名な祭事を取り上げています。その絵には、生き生きと躍動する人々の姿も描かれていて、スタティックな庭の世界とは対照的です。
 さらに、宴席や遊楽の様子。芸妓をあげて楽しそうに宴会をしているシーンがたくさん出てきます。例えば、現在の円山公園にあった料亭(「○阿弥」のたぐい)が何軒も紹介されています。まぁ、ここには庭もあるので、その関連ともいえますね。
 そしてもちろん、当時の人々の風俗や寺社建築などについても読み解いていくことが可能です。
 どうやら本書は、庭だけの本というよりも、「都名所図会」(1780年)を引き継ぐガイドブックと捉えた方がよい感じです。

 本書については、改めて詳しく見て行こうと思うのですが、それは来年。

 なお、「都林泉名勝図会」は復刻もされていますし、日本文化研究センター(日文研)や早稲田大学のウェブサイトで閲覧することもできます。




 書 名 :「都林泉名勝図会」5巻
 著 者 : 秋里籬島
 版 元 : 京都・小川多左衛門
 刊行年 : 寛政11年(1799)


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