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船越幹央

Author:船越幹央
博物館で学芸員をしています。また、京都市内の大学で非常勤講師を務めています。
生れ育った京都の魅力を歴史・文化財・史跡を中心にお伝えします!
やっぱり、京都は奥深い。知れば知るほど、味わい深い。このブログを読んで、京都を歩いてみてください!

[主な取材等]
テレビ:NHK「ブラタモリ~京都~」、BS-TBS「高島礼子・日本の古都」、BS日テレ「片岡愛之助の解明!歴史捜査」ほか
新聞・雑誌:小学館「サライ」、朝日新聞、日本経済新聞ほか
見学会:「まいまい京都」ほか

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きょうの散歩 - 清浄華院の泣不動尊と山科言継墓 - 2013.11.7





   清浄華院・泣不動


 秋の非公開文化財の特別公開が行われているので、今日は寺町通(御所の横)にある清浄華院と廬山寺という、隣接した2寺を訪ねてきました。

 ここは、つい1か月前にも訪問したのですが、また来てしまいました(笑)
 清浄華院で特別拝観料(800円)を払い、靴を脱いで、お堂に上りかけると……、なんと大学で教えている学生が係で立っていました! 聞くと、文化財愛好のサークルに入っているので、その活動の一環でお手伝いしているとのこと。ご苦労さまです。
 お堂の中の解説も、学生さんのようで、一所懸命話してくれました。

 清浄華院

 ここの見所のひとつが、「泣不動」。
 その物語は、このようなものです(あらすじ)。

 重い病で死の床に臥せる三井寺の高僧・智興。陰陽師の安倍清明に占わせると、誰かが身代わりになると智興は助かるといいます。
 みんなが尻込みをする中、若い僧・証空が身代わりを買って出ます。

 清明が祈祷すると、智興の病は治りましたが、証空は耐え難い苦しみに襲われます。 
 日頃信心していた自坊の不動明王に祈ると、「自分が代わりになろう」と言ってくれます。

 証空の代わりに、縄を打たれて地獄に連れられた不動明王。
 しかし、それを見て閻魔大王らは驚いてひれ伏し、不動明王は地獄から解放されるのでした。

 
 不動明王が僧侶の身代わりになる話。 
 身代わりになる不動明王が涙を流すところから、泣不動と呼ばれています。
 お地蔵さんや観音さんが身代わりになる話はよく聞きますが、お不動さんとは珍しいですね。

 この話は、古くは「今昔物語集」(巻19-24)に出てきますが、寺名や僧名は伏せられ、不動明王も登場しません。これが「発心集」に収められた話になると、実名や不動明王の血涙譚が出て来るのでした。

 今日は、このお不動さんの像(絵画)が、ご開帳されていました。
 さすがに涙の跡はよく見えなかったのですが、厨子に入って大事そうに伝えられてきた風でした。

 この物語を絵巻物にしたのが、泣不動縁起絵巻です。
 今回の公開では、狩野永納による模本が展示されていました。原本ともに、詞書はなく、絵のみです。
 この縁起には諸本ありますが、東京国立博物館の所蔵品は、ウェブサイト<e国宝>で見られますので、一度ご覧になってみてください(作品名「不動利益縁起絵巻」重文、南北朝時代)。

 戦国時代の公卿・山科言継も、日記にこの縁起絵巻を見たことを記しています(大意)。

 禁裏の台所へ行って、「鳴不動絵」を借用した。老母らにこれを見せて、すぐに返した。(「言継卿記」天文19年(1550)閏5月20日条)

 母たちにパッと見せて、すぐに返したのですね。このときは、御所に縁起絵巻が蔵されていたわけです。
 ちなみに、この頃の御所は土御門東洞院、つまり今のKBS京都の向い、御苑内の駐車場のあたりにありました。山科邸は烏丸一条ですので、そのすぐ北西、歩いてすぐの場所にあったわけです。

 そして、山科家の菩提寺は清浄華院で、この寺もまた土御門室町、つまり山科邸の少し南西にありました。今も「元浄花院町」という町名が残されています。

 その後、清浄華院は、秀吉の都市改造によって寺町通の現在地に移転されていますが、山科家の墓所は今も同寺にあります。

 清浄華院・山科言継墓

 清浄華院墓所にある山科言継卿のお墓です。
 先月訪ねたときは全然見つけられなかったのに、とても目立つ場所にあったのでした。 




 清浄華院

 所在 京都市上京区寺町通広小路上ル北之辺町
 拝観 境内自由
 交通 市バス「府立医大病院前」下車、徒歩約5分



 【参考文献】
 『言継卿記 2』太洋社、1941年
 『日本古典文学全集22 今昔物語集2』小学館、1972年
 『図説京都ルネサンス』河出書房新社、1994年


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ようお参りでした~
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